イベント日程
注目ポイント!
一人ひとりの成長のために、10年後に活かせる力を身につけます
国士舘中学では様々な体験を通し、伝統や異国文化を学び、多方面からの教養を身に付けます。併せて、勉強も部活も本気で取り組むことでより良い人生を歩むための基盤を作っていきます。
先生インタビュー
~神山先生プロフィール~
インタビューにご協力いただいた先生
国士舘中学校 教頭 神山優子
大学で教育学を専攻。平成5年(1993年)より国士舘中学校・高等学校の社会科、地歴公民科の非常勤講師として勤務。その後高等学校、中学校担任を経て現職。
~神山教頭先生にインタビューしました!~
本日は国士舘中学校にお邪魔しています。今日は神山教頭先生にお話をお伺いしていきます!
神山先生よろしくお願いします。
早速ですが、御校での神山教頭先生がどのようなお仕事をされているのかをお聞かせいただけますか?
神山先生教頭という仕事は学校によって立ち位置や役割が変わると思います。教頭は教員の管理や監督を主眼としていますが、本校の場合は何でも屋ですね。
何でも屋ですか。
神山先生もちろん一番大事なのは先生方の業務に関することですが、私の場合は現場の先生方に方向性の提示や提案をします。それを現場が受け取って、次にどのように実現していくのかは自由裁量でやってもらえればいいと思います。その中で困ったことがあれば相談を受けます。それが教員に対する自分の立ち位置ではないでしょうか。
そうなんですね。生徒との関わりはいかがですか?
神山先生元々担任もやっていましたので本当は授業をやりたいのですが、もう今はやらせてもらえなくなりました。ですので、生徒との関わりとしては、全校集会で生徒たちに話をさせてもらえる機会になります。あとは各学年の先生が話をする中で少し本校の話をさせてもらうなどでしょうか。
そういう時は生徒にどういったお話をされるんでしょうか?
神山先生本校はどういった学校なのか。特に中学2年生や3年生には、今どういうことが自分でできているのかを見つめ直してもらい、進路に向けて考えてもらうようにしています。
大事ですね。
神山先生本校には国士舘高校が進学先にありますが、「国士舘高校があるから高校に行く」という選択肢ではなく、「国士舘高校がいい!」と思って受験をしてもらいたいとお話ししますね。
その考え方の意識の違いは今後の伸びしろにもつながってくるのではないでしょうか。
神山先生何のために高校に行くのか。それから、国士舘じゃない選択肢はないのか? というようなことを含めて話をさせてもらいます。そういう意味では、教頭になってからの方が、お話しできる内容としては多岐にわたっていると感じています。
教頭先生というお立場だからこそ、伝えられることも多くあるのではないでしょうか。ちなみに先生は御校にお勤めになられて何年目になられるんでしょうか?
神山先生非常勤から含めると今年で32年くらいですね。専任になって20年です。
先生の担当教科は何でしょうか?
神山先生教科は中学の社会、高校の分野は公民になります。政治経済、現代社会の担当です。
女性で社会の先生にあまり会ったことがないので、素敵だなと思います。結構、女性の教員と聞くと国語や英語などの語学が多いイメージですが。
神山先生本校でも社会科・地理公民科の教員は現在15名いますが、女性は私を含めて2名です。元は女性が少ない学校でしたし、女性が少ない傾向の強化もしれません。
そうなんですね。
神山先生生徒たちとの関わり方として、表現として正しいかはわからないですが、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんのことを可愛いと思うのと同じ感覚だと思います。直接の親ですと「何とかしなければ」という思いがありますが、私はおじいちゃんやおばあちゃんと同じ立場ですので。
なんとなくわかる気がします。一歩引いた立場から意見を言ってもらえるということですよね。
神山先生その通りです。だから、現場の担任の先生や教科の先生よりも、一歩間に挟んだ立ち位置で子どもたちに接することによって見えるものや、伝えたいことがあるのだと思います。
その一歩引いた立場から物を言ってもらえるというのも生徒たちには大事だと思います。担任の先生とは違う立場から意見をもらえることによって、挑戦しようという気持ちが芽生えますし、間違った時はちゃんと正しい場所に戻してもらえるという安心感があります。
神山先生何でもやってみよう。ダメだった時に、「だから失敗したじゃない」ではなくて、論理的に何が問題だったのか。では、次にうまくやるにはどうしたらいいのかというきっかけになってもらえたらいいと思いますね。
それも一度やってみないと気づけないこともありますよね。
神山先生だからやってみるという背中を押すことも大事だと思っています。
~国士舘中学校の注目ポイント_多くの体験から10年後の自分を見つめる~
ここからは御校の注目ポイントをお伺いしたいと思います。
神山先生大きくは2点あります。1点目は、体験の量です。これから生徒たちが社会に出ていく中で、他と絶対的に違いが出るのは体験だと感じています。外に出ていった時に、体や五感を使った体験の量というのは圧倒的な力の違いになると思います。
確かにこの時期に体験することは今後の人生を送る中でもかなり重要な要素を含んでいると思いますね。
神山先生体験で、自分が想定していたことが起こらなかった。もしくは予想外のことが起こった時の判断力や応用力は、現場に行って初めて発揮できたり実感できたりします。ですので、学校内外でいろんな経験の機会を作るというのが大きな特徴です。
その経験が活きてくると生徒が感じる時はどのような時だと思いますか?
神山先生説明会の時には10年後とお伝えしています。お預かりする生徒が12歳ですから、10年後は22歳。ちょうど4年制大学を卒業し社会に出ていく年齢です。今ではなくて10年後に違いが出る力を、今この3年間で蓄えてほしいと思っています。
10年後に違いが出る3年間。とても深いお言葉ですね。
神山先生特に高校生じゃなくて、中学生の時に体験したことというのは非常に大きな影響が後々出てくると思います。ですので、多少ゴリ押ししてでもいろんなことをさせたいと指導しているのが特徴でしょうか。
ちなみに、体験とはどんなことをされるのでしょうか?
神山先生宿泊学習で言えば、1年生は白樺湖でオリエンテーションです。まずは仲間を知ること、協力して成し遂げることをやっています。チームビルディングで仲間と協力しながらポイントを稼いだり、牧場の体験などもします。
学校生活での仲間を作る経験が私にもありますが、今思い出しただけでもワクワクしますね!
神山先生併せて、1年生は学校の歴史や、国士舘の『舘』の字を取った『舘歌』の意味を考えることもやっています。いわゆる校歌ですが、その歌詞の中身をお話しすることもしています。
校歌の意味を生徒にお話しするんですか?
神山先生はい。創設者である柴田徳次郎が私塾を立ち上げた背景にあるのが、幕末の松下村塾で有名な吉田松陰です。その創設者の想いや、吉田松陰が残した言葉の一節を取りながら、まずは目標を持つことが成功につながるという話をします。だから何でもいいから夢を持とう! という問いかけを1年生の頃はしています。
創設者の思いを今の生徒さんにも伝えていくというのはとても素敵ですね。
神山先生ありがとうございます。
その後、2年生になるとどんな体験が待っているのでしょうか?
神山先生2年生は英語の時間を多くしているので、福島県のブリティッシュヒルズに語学研修に行きます。2泊3日で英語を使ったアクティビティやレッスンをするんです。
英語漬けになるという、あのブリティッシュヒルズですね!
神山先生はい。イギリスの文化を本当に身をもって3日間で体験できます。テーブルマナーや日本とは違う生活様式を体験してきます。海外の語学研修は少しハードルが高いので、それなら学年全部でお互い協力しながら体験できるブリティッシュヒルズを取り入れているんです。
とても素敵な経験になりますね。
神山先生はい。それで、3年生になると移動教室という形で下田に行きます。下田は吉田松陰が黒船に乗ろうと思って失敗し、自ら捕まった場所でもあります。
そうですね。とても歴史が深い場所だと思います。
神山先生その場所がどんな場所で、どんな思いで吉田松陰は黒船に乗りたかったのか。どんな気持ちでアメリカに連れていってほしいと思っていたのか。そういうことを学びに行きます。一方で、本校の生徒は元気な子が多いので、海でのアクティビティでシュノーケリングやシーカヤックをやりながら、漁村体験も実施しています。あとは民泊に泊まりますので、そこのお父さんやお母さんとお話をすることも、毎年学習に取り入れています。
地元の方との交流もあるんですね。宿泊学習以外で何かありますでしょうか?
神山先生芸術鑑賞などは、新橋演舞場で演劇鑑賞や、伝統芸能の歌舞伎や能楽、落語に触れる機会があります。あとは、防災を学園あげて力を入れています。地震発生から72時間、どうやって生き延びるのか。それを体験しながら、今年は炊き出しをしながら非常食を作って食べるということをやりましたね。
非常時に生き抜く力というのも学校で学べるんですね。
神山先生そうです。あとは大学との連携で、国士舘大学の学部の模擬授業体験とキャンパスツアーで大学のことをまず知ってもらいます。自分の興味のあることが、実際にどの学部に行けば学べるのかを体験してきます。
いいですね。中学生の頃から大学の学部のことを知っておけるのは!
神山先生それこそ、伝統芸能のレクチャーを事前学習で受けたり、理工学部ですと紙飛行機を10メートル飛ばすにはどうしたらいいのかの模擬授業もあります。ですが、私自身はやはり世田谷キャンパス法学部の模擬法廷の教室での模擬裁判が印象的です。
模擬裁判って面白いですね。さすが、社会の先生ですね!
神山先生模擬裁判はゼミの学生に手伝ってもらい、シナリオ通りに進みます。生徒たちが裁判官から裁判員、被告、検察、弁護人などを担当します。あの経験は中学校の時期にしておくのは、個人的にはとてもいいと思います。
法廷なんて、ニュースで絵に描いたものが出てくるくらいで、生で本物を見るというのはあまりできませんよね。
神山先生そうです。だから、そのままの現場があるということを自分が現場に行って体験することができる。それがもし関心としてあるならば、法学部に進んで実際に法廷を見た時に、中学生の時に見たものと同じだとわかると思います。
どこに生徒の興味が転がっているかわからないので、1回でも自分で体験するという経験は興味をかきたてたり、気づきにつながるのではないでしょうか。
~学校生活と部活の両立。どちらも全力で取り組む意味とは?~
先ほど、注目ポイントが2つあるとおっしゃっていました。2つ目のポイントを教えてください。
神山先生本校の生徒は、学校の部活を頑張っている生徒もいますが、外で団体やクラブチームで活動している生徒もいます。ですがどちらに所属していても、学校生活との両立ができるようにしています。
そうなんですね。
神山先生部活を頑張っているから勉強をしなくてもいいということではなく、やらなければならないことは絶対にやらなければいけないと教えています。両立ができないのならば両立できるように指導もサポートします。「自分は特別なんじゃなくて、みんながやることはきちんとやりましょう」としっかり指導しているのが、2つ目の特徴です。
私の時代は学校がスポーツとの両立のサポートをしてくれるというのはなかったですね。とにかく一生懸命スポーツをしなさいという感じでした。
神山先生時代も変わってきているというのもあると思います。特にアスリートの方は、アスリートとしての期間よりもその先の人生のほうが長かったりします。本当に大事な時期にそれだけではよくないという話を当人たちにしています。
本当におっしゃる通りだと思います。アスリートの時期よりもその先のほうが長いんです。私も今それを痛感しています。
神山先生いうことを聞く子ばかりではないですが、それでも少なくとも本校は中学の3年生までは教員自身も両立させることを絶対に譲りません。各先生が、「ここまで!」という生徒の線引きを把握して、そこまでは生徒たちと何が何でもやるように指導しています。
指導に手を抜かない、御校の徹底した教育が垣間見えるようです。
神山先生スポーツも勉強もいつ伸びるかわかりません。中学、高校の6年間伸びなくても大学で伸びる子もいます。どこで開花するかわからないですが、その時でもいろんな選択肢を持っておくために、少なくともやっておかなければならない最低限のことは、お尻をたたいてでもやらせるというのは徹底しています。
本当のベースのところを学校がサポートしてくれて、一緒に歩んでくれるというのは心強いですね!
神山先生独り立ちできる力があるのに、中学生だからいい、高校生だから大丈夫というわけではありません。早くから独り立ちできる力をどのくらいつけられるかというところがポイントになってきますね。本校のスタイルとしては、社会に出た時にきちんと通用する教養を身につけさせることを大事にしています。
~どういった生徒が国士舘中学校には合っている?~
次の質問です。そもそも御校にはどういった生徒さんが合っているのか、こちらをお聞かせください。
神山先生元気な子が多いですね。本校の4階は中学1年生のフロアになっていますが、そこの熱量はすごいです。
活気があっていいと思います。
神山先生あとはよく聞くこととして、学校が楽しいと言ってくれる生徒がいます。私自身も学校がものすごく好きな人間なので、それは嬉しいですね。
お話を聞いていてすごくそう思います。
神山先生好きが高じて現在があるのかなと思いますが、私は勉強ができる、できないに関係なく、学校が楽しいというのは一番幸せなことなのではないかと思います。だって、勉強という嫌なことをしに行くわけで、決してみんな勉強が好きな子ばかりではないですよね。
そうですね。その通りだと思います。
神山先生でも、学校に行く理由は勉強だけじゃないと思っています。だから、「学校が楽しい!」と言ってくれるのは私は心から「よかった」と思うんです。学校が楽しいという感想を持ってもらえることは、学校冥利に尽きるのではないでしょうか。
学校冥利に尽きる…。いい言葉ですね。
神山先生もう1つは、ほっておいても楽しいことを見つけるのが子どもだと思っています。だから今の便利なものは全然いらなくて、その楽しいことを見つける力が実はもっと伸ばしたい力だったりします。だからどんな子どもが合っているかというより、その子の持っている力を伸ばしてあげられる。伸ばせるんだと思える学校でありたいと思いますね。
~学習面のサポート体制について~
次に学習面のサポートについてお伺いできますでしょうか?
神山先生ご家庭に帰った後に家庭学習の時間を取るというのは、すべての生徒ができるかといえばそうではないと思います。だから学校を使い倒してほしいんです。
学校を使い倒す、ですか?
神山先生はい。1つは、朝に朝学習があり、10分間にテストや学習を行います。朝にテストをやった場合、合格点が取れていなければ放課後にやり直しをさせるのと同時に、6限目が終わった後の30~40分くらいを放課後学習として全員が取り組むようになっています。
全員がですか?
神山先生はい。授業が終わって一旦終わりになりますが、もう一回放課後学習の時間を取るんです。そこでは、予習、復習、宿題、課題…何をやってもいいです。自分がやらなければならないことを取り組む時間として用意しています。
習慣化を身につけるということですね。
神山先生そうです。全員で取り組むので、部活は午後4時以降になります。中学校は学校が終わって、放課後学習が終わってから! と習慣づけています。
本当に家庭学習と一緒ですね。宿題が終わってから遊びに行けというような。
神山先生そうです。だから、そこで課題ができていない子に直接声をかけることもできます。クラス担任や教科担任がいますので、サポートもしてくれます。要領の良い子だと、そこで宿題や課題をある程度終わらせてしまう子もいますね。
もしそれができたらお家でゆっくりできますね。
神山先生成長期なので、家族との時間や休息というのも大事だと思いますので、早いうちから習慣をつけることが大事です。
そうですよね。習慣が身につくまでは一人でやるとなるとなかなか定着しないこともありますから。
神山先生そうですね。2年生、3年生、受験期になった時に自学、自習ができるようになっていてほしいですが、中学生だとなかなかやらない。だから、先生の目があるというのはすごく大事だと思います。
~自習室のサポート体制について~
次に、自習室のサポートについてもお聞かせください。
神山先生ケーインプルーブ(K-Improve)という自習室があるのですが、高校生と一緒の施設なんです。そうすると高校生がどうしても優先になってしまい、なかなかうまく施設を使えないということがあります。
そうなんですね。
神山先生ですので、中学生にはチューターの先生に来てもらって午後4時以降勉強をしたい生徒たちは18時まで出張K-Improveという形で自習室を展開しています。
教室を解放して中学生専用の自習室を作っているんですね。
神山先生はい。チューターが付いているので、わからないことがあれば聞くこともできます。学年は3年生まで入り乱れて、自習教室として18時まで使うことができます。
徹底されていますね。先ほどのお話にもありましたが、習慣化は中学生の頃から身につけておくことが本当に重要なんだなと感じます。
~カウンセリングのサポート体制について~
次にカウンセリングのサポートについてもお伺いできますか?
神山先生週1回、カウンセラーの先生が来てくれています。別棟で、直接他の生徒と顔合わせしないようにしています。例えば、長く休んでなかなか学校に来られない生徒は、保護者の方のご希望でカウンセリングを受けるにしても校舎の中に入らなければいけない。そのハードルの高さは本校にはないので、直接別棟のカウンセリング相談室に行ってもらうこともできます。
他の生徒と顔を合わせる心配がないのは安心ですね。
神山先生そうですね。手順としては、保護者の方と本人と担任の先生が連絡を取ります。本人が電話に出られない場合は保護者の方とお話ししますが、もし本人が話せるようであれば担任の先生が電話で話をするんです。
直接カウンセラーに行くというよりは、きちんと担任の先生を挟んでコミュニケーションを取っていくんですね。
神山先生そうです。その生徒に合わせて担任がしっかりと調整をしてカウンセラーと連携を取っています。
~学校への通いやすさは?~
次に、御校への通いやすさについてお伺いしたいと思います。
神山先生本校は世田谷の生徒が非常に多いんです。もちろん他から通っている生徒もいますが、割合としては他地域から通っている子は比較的少ないですね。
そうなんですね。
神山先生コロナ禍以降、通学を長距離で移動するよりは地元でと考えている方もいらっしゃいます。もう1つは、アクセス面で小田急線1本で来られる範囲は比較的通いやすいところがあるのかなと思います。
確かに1本で来られるというのはメリットがありますね。
神山先生あとは松陰神社がある世田谷線が繋がるのが三軒茶屋駅ですので、田園都市線の生徒さんが通ってくるケースも多いですね。
すごくいい路線の近くに御校はあるんですね。
神山先生そうですね。もう1つの特徴としては、世田谷区内の2~5km半径は自転車通学が可能なので、世田谷区の生徒は自転車で通っている子もいます。結構、「自転車通学いいんですか?」という声も聞かれます。
世田谷区に住んでいる人は確かに自転車のほうが便利かもしれませんね。
神山先生もちろん、電車のほうが便がいいというご家庭もありますが、条件さえ合えば自転車通学ができますとお伝えすると非常に良い反応をいただけます。
入試についてもお伺いしてみました!
~国士舘中学校に合格するためにどんな準備をすればいいの?~
ここからは入試のお話について詳しく聞いていこうと思います。御校を目指している受験生に向けて、どんな準備をしたらいいのか教えてもらえますか?
神山先生入試説明会の時に、算数と国語の教科担当が問題対策などの話をします。基本的には算数も国語も小学校の授業をきっちり受けてくださいとお伝えしています。奇問だったり難問を出題する学校ではありません。だから、例えば、字をしっかり書くとか、学校の授業をきちんと身につけられるように。まずはそこがスタート地点ですよとお伝えしています。
なるほど。
神山先生漢字ならば5級相当の部分が出るので、国語の漢字を丁寧に楷書でしっかりと書くこと。あとは「○○についてあなたの思うことを書きなさい」といった時に、空欄で出してくる子がたまに見受けられますが、どんなことでもいいから自分の言葉で書いてみる。そういうことができるといいと思います。
確かに何も書かないで出してしまうのは非常にもったいないなと感じます。
神山先生国語はとにかく、自分の中で感じたことを表現すること。あとは、日常の国語の授業を理解できるように受けてください、ということなんです。
もう1つの算数はいかがですか?
神山先生算数は1問5点で20問です。そう考えた時に、最初の計算問題でケアレスミスをしない。加減乗除の計算などがきちんとできるようにすること。あとは図形や文章題も出てきますが、傾向的には例年と変わりはありません。ただやはり若干入試問題のテクニックが必要になってきます。ですので、過去問の解説を見ていただいて傾向に慣れてもらうのが良いと思います。
過去問で御校のカラーを把握するのが良いということなんですね。
神山先生あとは算数だけ、国語だけ、ということではなく、総合得点で評価しますので、得意な部分は伸ばしてもらい、苦手なところは少しでも点数が上がるよう努力をしてもらうのが2科目受験であると思います。
~2025年度から新しいチャレンジ!プレゼンテーション入試~
神山先生今年から試験の第4回目にプレゼンテーション入試を入れました。自分の得意なことで自分自身をアピールしてくださいというのを10分間でプレゼンしてもらい、それについて質疑応答を経て合否を決めるというものになります。
自分自身のことをよく理解している必要がある入試ですね。
神山先生そうなんです。入試説明会の時にお話ししたのは、「自分自身をよく分析して、自分の推しって何だろうか? 推せるとしたらどこ?」という話でした。そういうものをお子さん自身の方法でプレゼンテーションしてくださいと。
プレゼンテーションの方法は問わないんですか?
神山先生問いません。自分で考えて10分間プレゼンしてくれればいいんです。
この試験を始めようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?
神山先生個別相談会などで、保護者の方と受験生が来られた時によく聞かれるのが、「中学受験のためにスポーツの習い事を休んでいます」という声です。もしかすると語弊があるかもしれませんが、中学受験のためにそれを休まなければダメですか? ということです。
確かに受験のために習い事を休むというのはよく聞きますね。
神山先生私が受験を軽く考えているわけではありませんが、10歳や12歳の子どもにとって、自分の好きなことをやめてまで対策しなければいけないことなんだろうかと。もちろん、本当にその学校に行きたくて休んででも叶えたいというならそれでいいのです。でも、そうじゃないならもっと伸び伸びしている部分を評価できるのではないかと考えたんです。
なるほど。
神山先生例えば、5年間続けてきたことを半年中断して、それを元に戻すのって実はすごく大変なことですよね。
おっしゃる通りです。
神山先生だから、それを逆に評価できるようにプレゼンテーション入試として活かす方法を取り入れています。狙いとしては、頑張っていること、熱中していること、そういうことをプレゼンテーションしてもらって合格した生徒と、2科目受験で合格した生徒とが同じクラスになることで起こる化学反応が絶対あると思うんです。それを期待して今年度初めて取り入れました。
先ほど注目ポイントの部分でお話しいただいた、学校と部活・クラブチームの両立というのが反映された試験なのかなと感じました。
神山先生子どもはいろんな可能性を持っています。それをどう評価できるのかを本校としても考え、まずは私自身が「それってダメなのかな?」と思った疑問を試験に取り入れたんです。
この試験は今後も続いていくのでしょうか?
神山先生今回が初めてのチャレンジですので、今年入ってきた生徒の様子を見ながら、続けていくのかどうかを試行錯誤していきたいと思います。
そうなんですね。
~受験生の保護者はどんな準備をしたらいいの?~
ここまで受験生に向けてのお話を聞いてきましたが、受験生の保護者が準備すること、または子どもと接する時に気をつけたほうがいいことなどはありますか?
神山先生本校でお伝えしているのは体調面だけですね。今年でしたら、本当にインフルエンザに気をつけてください。まずは受験が受けられるようにご家庭でサポートしてあげてください。体調が万全で、遅刻せずに充実した気持ちで試験に臨める。試験前日もよく寝かせてあげてください。美味しいものを食べて、ぐっすり寝て、受験に備えてほしいと思います。熱が出たり、インフルエンザで苦しい思いをしてまでの受験…ということにならないように、ご家庭にはお願いしたいです。
お子さんの体調管理はご両親にしか協力ができないので、その部分はすごく大事ですね。
神山先生そうです。あとは子どもが力を発揮するだけですから、ご家庭で協力していただけるのは体調面だと思います。
先生のお話を聞いていると本当に温かい気持ちになります。
~受験生へのメッセージ~
最後に受験生へのメッセージをお願いできますでしょうか。
神山先生中学入試はお子さんが試験を受けるのはもちろんですが、その前に保護者の方が学校選びをするものだとも感じています。ですので、まずお父さんとお母さんと一緒に学校に行ってみてください。自分がどういう中学校に行きたいか。学校見学に行った時に「ここがいいな」と、その直感がその子にとって一番ベストな選択になるのではないかと私は思います。いい学校をたくさん見て、そして自分で選択してください。私たちは学校に来てくださることをお待ちしています。
学校の特色
授業
学校行事
宿泊行事から体験まで、校内外で様々な行事が学校生活を彩ります!
古き良きものをなくさないようにしながら、新しいものを見つけていく。国士舘中学の学校行事は伝統を重んじながら、いろんな経験を積めるのが特徴です。
~全員が参加する、言道大会と108年続く寒稽古~
先ほども学校行事で宿泊体験という部分をお聞きしましたが、体験とはまた別で御校特有の学校行事というのはありますでしょうか?
神山先生言道大会は本校独特だと思いますね。
言道大会ですか?
神山先生書道や武道と一緒ですが、いわゆるスピーチコンテストです。中学校は学年が2クラスずつで、1クラスから代表を2名ずつ出して発表内容を競い合います。
それはどのくらいの長さのスピーチになるんでしょうか?
神山先生始めは1分間スピーチから始まりますが、代表に選ばれると5分のスピーチになります。原稿に5分間分のスピーチ内容を書いて、生徒たちの前で披露する。しかも言道大会は校長杯争奪戦になり、1年生から3年生まで全員で順位を決めるんです。
クラスで2名ずつですので、合計で12名で争われるということなんですね。
神山先生そうです。12名に加えて基準言動の弁士が1名いるので本当は13人になりますが、弁士には順位はつきません。だから12名の中から上位3名まで、生徒たちが審査して投票し、順位を決めるんです。
言道大会のテーマは自分で決めるんでしょうか?
神山先生基本テーマのみこちらで提示していて、「自分が1番伝えたいこと」というのがテーマです。ですので、今年だといきなりラップを披露する生徒や、ボランティア活動のこと、外国に行った活動、メンタル面で自分なりの考えを話す生徒もいます。
面白いですね。生徒の数だけテーマがありますね!
神山先生そうです。全員が予選をするのですが、テーマが被りません。
全員が予選をするんですね。
神山先生苦手な子は苦手なんですが、全員が同じ条件でやる以上はしっかりやろうと伝えています。1分間スピーチになるんですが、「全員やろうね」と共通認識を持っています。
やるところはきっちりやるという、御校のスタイルがここにも活きていますね。
神山先生あと、特徴的といえば「寒稽古」というのがあります。
寒稽古ですか?
神山先生武道の稽古ですが、寒中にみんなで剣道着を身に付けて柔道または剣道の稽古をするというのが毎年恒例になっています。コロナ禍を経て少し形は変わってきましたが、昔は1週間毎日行なっていました。
寒稽古はどのくらい前から始まっている行事なのでしょうか?
神山先生今年で108回目の寒稽古になります。
思った以上に長い歴史があってびっくりしました!
神山先生108年間1回も欠かしたことはないそうです。本校は全員が武道をやっている学校なので、「寒稽古があります」ということも発信しています。
伝統ですね。感慨深いです。
神山先生学校行事というと体育祭や文化祭などももちろんありますが、こういった伝統的なものがあります。古き良きものをなくさないようにしながら、新しいものを見つけていくという動きを最近始めています。
そうなんですね。
神山先生だから芸術鑑賞は宝塚を観に行ったり、劇団四季を観たりもします。一方で伝統芸能鑑賞は能楽を観たり歌舞伎を観たりということもしています。
なるほど。寒稽古の効果としては、精神的な部分が大きいと思うのですが、御校ではどうお考えですか?
神山先生古い考えかもしれませんが、おっしゃる通り、競技力の向上という部分ではなく、自分に打ち勝ったり、達成した時の充実感だと考えています。
でもそれを続けるには意味があると思いますね。昔の人がやっていたから今も続けるというだけでは、ここまで長く残っていないと思います。
神山先生なので、意外に卒業生に在学当時の思い出を聞くと、寒稽古をあげる生徒もいます。この寒稽古という経験は後にも先にもこの学校だけで、他にはないことだと言ってくれますね。
私も寒稽古を全校でやるというのは初めて聞きました。でも本当に貴重な経験で、心に残るのだと思います。
部活動
勉強も部活動も両方本気で取り組む、国士舘中学の部活動
創設から武道がある国士舘中学校の部活動は、柔道、剣道など全国に出場する部活動から現在成長中の部活まで、様々な活動が行われています。
~部活動についても神山先生にお聞きしました!~
勉強も部活動にも力を注いでいる御校ですが、御校の部活動はどういった特徴があるのでしょうか?
神山先生特徴としては、創設当初から教育課程の中で武道があります。そのため、柔道と剣道は非常に強いですね。国士舘に行って柔道や剣道をやりたいという生徒が非常に多いです。
国士舘と聞くと、確かに武道が強いイメージがあります。
神山先生ですので、全中レベルの部活となると柔道。あと今頑張っているのは新体操や空手も人気があり、人を増やしているところです。
お話を聞いていても違和感なく、強い国士舘の部活という感じですね。文化部で特徴的な部活は何かありますか?
神山先生文化部では吹奏楽部が特徴的です。吹奏楽部は中学から始めると高校までの6年間続けていくことになります。中学生の頃から、少しハードルが高いのですが、高校生のお兄さん、お姉さんと一緒に頑張っている生徒がいます。吹奏楽部は野球の応援だったり、コンクールに出たりというのも比較的多いですね。
少しハードルが高くてもレベルの高い先輩たちと一緒に活動できるのはやりがいがありますね。
神山先生そうですね。あと、文化部では書道ですね。書道は授業内でも行なっているので、そういう意味では全国レベルの展覧会などに出展している部活です。
展覧会に出すというレベルというのが素晴らしいですね。
神山先生他の書道部の活動としては、文化祭の時に書道部が教室でパフォーマンスもしたりしていますね。
御校は勉強も部活も両立というお話がありましたが、部活自体は週何回までという制限はあるのでしょうか?
神山先生部活によって活動時間はかなり違ってきます。やはり全国レベルの部活はそれなりに多く時間を取っていますので、学校で週何回といった縛りは設けていません。
そうなんですね。
~インタビューを終えて~
柔らかい雰囲気の中にも、一本芯の通った思いを持っている神山教頭先生。何よりも生徒のためにと動かれる姿に、国士舘の伝統を守り続け、生徒たちの可能性を信じて後押しするパワーを感じました。人生で必要となる学びを経て国士舘中学校を巣立つ生徒は、この先も自身の可能性を追求し続けることができると強く感じます。
合格実績
基本情報
住所 | 〒154-8533 東京都世田谷区若林4-32-1 |
---|---|
電話番号 | 03-5481-3131 |
FAX | 028-61-2023 |
公式HP | https://jhs.kokushikan.ed.jp/ |
アクセスマップ
交通アクセス
《交通アクセス案内:電車》
■梅ヶ丘駅/小田急線小田原線/徒歩13分
■松陰神社前駅/東急世田谷線/徒歩6分
《交通アクセス案内:バス》
■世田谷区役所入り口下車/小田急線小田原線/徒歩13分
■世田谷区民会館、終点区民会館下車/徒歩2分