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注目ポイント!
「報恩感謝」を校訓に掲げる城西大学附属城西中学校は、「体験を通した学び」と「多様な人間関係の中での成長」を軸とする教育プログラムを経て、他者への感謝を忘れない自立した自己肯定感の高い人物を育てている。自分の夢を実現させるため、言葉や文化の壁など困難を乗り越える強さを身につけた人、ひいては10年、20年の後に自分が納得のいく生き方ができる人間を育てていく長期的な視点に立った教育姿勢が特徴的だ。
先生インタビュー
~坂本先生にインタビューしました!~
本日は城西大学附属城西中学校に来ています。本日は坂本先生にお話を伺いたいと思います!
坂本先生よろしくお願いします!
先生は御校でどのようなお仕事をされているんでしょうか?
坂本先生今は入試広報の責任者をしています。入試広報部長になって10年が経ちました。
長い間、入試に関わって来ているんですね。
坂本先生そうですね。本来は理科の教員なので、今でも授業は行なっているんですよ。
理科の先生だったんですね。
坂本先生はい。最近は理系クラスの生徒に対して高校新課程の化学を基礎から大学受験指導まで中心になって進めています。
そうなんですね。先生はいつ頃から御校にいらっしゃるんですか?
坂本先生私がここに来たのは2009年ですから、もう15年になりますね。
15年ですか。やはり長いですね。
坂本先生そうですね。割と公立の学校だと5年くらいで他校に移りますので、それに比べると私学は多くの先生が長く残っている点がいいですね。卒業生が母校と長くつながり、自分の子も先生たちに指導してもらいたいなんて相談もよくあります。
そうですね。
坂本先生私は元々とあるゼネコンに3年くらいいたんです。そこから転職して教員になったという経験があります。
元々他社での社会人経験がおありなんですね。
坂本先生割と社会人経験を経てから教員になるというのは私学だと多いかなと思いますね。私以外にも社会人経験のある先生はいます。
どういった先生がいるんでしょうか?
坂本先生それこそ旅行代理店で営業をやっていた方がいたり、地方のテレビ局でアナウンサーだった方もいますね。
え~!アナウンサーって!その先生は何をされているんですか?
坂本先生今は英語の教員ですね。
やはり言語の先生なんですね!
坂本先生英語の教員で、国際交流推進のリーダーとして留学生の受け入れや派遣のコーディネートや、様々な国際交流のイベントを企画しています。本校の中高6年間の中でどう海外経験を積ませて成長につなげるか、日々考える仕事をしています。
すごくやりがいのある仕事ですね!
坂本先生さらに放送部の顧問もやっていましてね。今年は久々に全国大会に出場する生徒が出ました。
さすがアナウンサーですね!経験を生かしてらっしゃる!お話を坂本先生に戻しますが。元々ゼネコンにいらしたということですが、教員になろうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?
坂本先生初めは就職先で分析化学の研究を続けていこうと思っていたんですが、この時期に中学生を指導する機会がありました。中学生って2、3か月で別人みたいに変化していくんですよ。それから子どもの成長に関わる仕事が非常に面白いと思うようになりました。
そうだったんですね。
坂本先生はい。そこから教員免許を取って、今ここにいます。
教員免許を後から取られたんですか?元々持っているものかと思いました。
坂本先生実は持っていなかったんです。
そこから子どもさんに関わりたいという思いで教員免許を取られるというのは素晴らしいと思いますね。
坂本先生せっかくやるならちゃんと勉強しようと思いまして、もう一度大学に一年通って教育に関することを学びながら小学生、中学生、高校生様々な年齢の子たちと放課後ボランティアや学習指導、中高大の受験対策、実験助手など様々な立場で関わっていました。それから本校に勤務するようになって15年が経ちました。
子どもさんが好きなんだろうなというのを、お話を聞いていてすごく感じました。
~体験を通した学びを大事にする、100年以上続く教育の形~
ここからは御校の注目ポイントについてお伺いしていきます!
坂本先生創立のお話からさせていただくと、元々1918年にできた学校なんです。今年で106年続いています。
106年とは長い歴史がありますね!
坂本先生元々、城西実務学校として、海外との貿易をするために実教育で学ぶ学校としてスタートしました。それから二代目学園長の野口援太郎によって城西学園と改称され、大正自由教育の実践校として子ども向けの教育が行われるようになりました。
明治期の学校の指導スタイルは、軍の士官学校がモデルになっています。教室の中に1人の教官がいて、大勢の学習者全員に同じ話をして、聞いた側はそれを忠実に覚え、理解していく全体授業のスタイルです。
今の多くの学校のスタイルと同じですね。
坂本先生はい。ただ、野口援太郎は、「人の話を聞いて覚えるだけでは本当の学問とは言えない」という人で。自分たちで学んだことを実験し、他人に説明したり議論する過程が必要であり、さらにはそこで作られる人間関係の中で成長していくと謳っていました。
その時代で体験を重視する考え方は珍しかったんではないでしょうか?
坂本先生そうですね。ここ数年はアクティブラーニングや探究学習の重要性が言われ始めていますが、100年前でも同じような議論がされていたんです。我々はそういう背景を持った学校なんです。
そんな体験からの学びを大事にされている御校ですが、どういった特徴があるんでしょうか?
坂本先生1つわかりやすい特長としては、成績別のクラス編成をしないという点が珍しいですかね。
そうなんですね。多様な背景を持った子たちと一緒に生活するんですね。
坂本先生はい。実は本校の卒業生にオリンピックに出場した陸上選手が2名おります。サニブラウン・アブデル・ハキーム選手と中島佑気ジョセフ選手の出身校なんです。
学校内にもお二人のユニフォームが飾られていましたね!
坂本先生そうなんです。サニブラウンくんは中学受験で入学して6年城西に在学していました。当時の同級生には東大に進学した生徒もいましたね。
おぉ~。これまたすごい人が同級生なんですね。
坂本先生本気で世界レベルのアスリートを目指している子と、東大に行こうと思って本気で勉強している子が同じ教室空間で生活できるというのは、すごく価値があると思いますね。
他の生徒もそういう環境で学校生活を送ることはないだろうなって思いますよね。
坂本先生多様性という言葉が今とてもよく使われるようになりましたが、グローバル化が進んだ社会の中で仕事をすると、自分と価値観も背景も考え方も違う人たちとコミュニケーションをとって、一緒に目標を達成していく場面が多くあると思います。
そうですね。
坂本先生じゃあ、そのコミュニケーションのトレーニングはどの年代で積むべきか。自分の意思や価値観がある中で、考え方や背景の違う子たちと利害関係の少ない中でコミュニケーションをとって、共通の目標にむけて頑張れる年代というのは、日本だと中高生くらいなんです。
なるほどですね。
坂本先生だから本校ではいわゆる成績別クラスを敢えてつくらずに学級編成をしています。
面白いですね!だからスポーツのトップレベルの子と大学のトップレベルの子が同じクラスになったりするんですね!
坂本先生その通りです。あとは本校の系列の大学との関係をお話させていただきますと、城西大学と城西国際大学、日本医療科学大学の3つの系列大学を持っています。
その系列大学に、いわゆる内部進学するにはどうしたらいいんでしょうか?
坂本先生高校3年間の成績を基準にして内部進学ができます。ただ、私立の中高に通ってやっぱり進路選択というのは、系列大学に限らず、色んな学校に行きたいという方が多くいます。
そうですね。内部進学する人は少ないというのを他の学校でもよく聞いております。
坂本先生学校からも他大学に受験をするというのを前提にカリキュラムを組んでいます。本校は内部進学も他大学の受験もできるという学校です。
なるほど。
坂本先生また、今年から城西大学の全ての学部で内部進学と併願ができるようになりました。
今年からそのような仕組みに変わったんですね。
坂本先生そうなんです。ですから、城西大学であればそのまま進学の座席を残した上で、他大学に挑戦ができるようにもなりました。薬学部は特に希望者が多く、それを見越して入学してくる方も多いですね。
薬学部に強い系列校であれば、それを目指す生徒さんも将来を見据えて入ってきますよね。
坂本先生それこそ、すでに今年も東京薬科大学などに公募推薦で合格した子が何人かいます。でも、もし薬学部で他大学受験をしてダメだった場合でも、城西大学の薬学部に行くという選択が持てるようになったんです。
チャレンジの幅が広がっているということなんですね!
坂本先生本校で6年間かけてのプログラムを体系化した『JOSAI Future Global Leader Program(JFGLP)』というのがあります。
壮大なプログラムなんですね。
坂本先生本校では40年以上前からアメリカオレゴン州の高校と姉妹校提携を結び、交換留学を行ってきた学校なんです。
そんなに昔から交換留学という取り組みをされているんですね!
坂本先生そうです。現在は海外7カ国に13の姉妹校があります。これらを軸にさらに国際交流の展開を広げて、中学からの6年間のプログラムに体系化しました。
どういう風に中学校に広げて行くんでしょうか?
坂本先生1番のポイントは、全員参加のオーストラリアのブリスベンでの海外研修です。2週間ホームステイをしながら現地校に通います。
全員参加なんですね!
坂本先生そうなんです。現地の家庭にホームステイしながら、現地での生活と学校教育を全部体験してくるというプログラムになっています。
凄く濃厚な時間を過ごせそうなプログラムですね!
坂本先生はい。中学3年の3学期という義務教育の最後のタイミングで、異なる社会や文化を丸ごと感じ取って欲しいと思うんです。2週間という期間ですが、凄く濃密な人間関係を作ってきます。もっと長くいたいという生徒も多くいますね。
そうでしょうね!この時期のこういう経験というのはすごく価値がありますから。
坂本先生「海外でも一人で生活できるようになる」ことと「現地校の授業を英語のまま理解できるようになる」ことを中学入学時からの目標にしているんです。
みんなで共通の目標を持てるというのはいいですね!
坂本先生そうなんです。
海外生活をこなしていくと、大きな自信と自立心が育ちます。日常のコミュニケーションに困らないだけの英語力を身につけるのもそうですが、現地校の授業を英語のまま理解できるだけの基礎学力を身につけることも大切にしています。海外の学校の授業を英語のまま理解できた瞬間って、大きな衝撃がありますね。想像の中にしかなかった海外世界が初めて具体的な存在に変わる瞬間といいますか。
素晴らしいですね。
坂本先生親元を離れての生活経験を義務教育の最後という多感になるタイミングでさせているのも良いのだと思います。一人での海外生活を経験すると、自分で考えて判断、行動しなければならないことがたくさん出てきます。
そうですね。親がいると助けてくれることが多いですから。
坂本先生その通りです。自分で考えて動く大変さが実感できると、他人に何かをしてもらえることに強く感謝する心が出てきます。今まで家族に何でもやってもらえていたことが、どれだけ幸せで恵まれたことなのか気付く瞬間ですね。
御校の校訓にもある精神を体験からも学べるようになっているんですね。
~海外の文化を取り入れ、自分の生き方を考える~
坂本先生もう1つクリエイティブな要素として探究活動を多く取り入れて行っています。元々が体験を通した学びを大事にしている学校ですので、こちらのプログラムをしっかり体系付けをしています。
どんな探究活動があるんでしょうか?
坂本先生先ほどお話しした通り、中学では全員が短期留学を経験しています。高校でも希望すると短期・中期・長期のいろいろな留学プログラムに参加できるようになっています。
その生徒に合わせて留学の長さが選べるようになっているんですね。
坂本先生はい。また、高校1年生から海外の留学生の受け入れをしています。通常の学校生活や部活なんかも一緒に送って行くんです。
どのくらいの人数を受け入れているんでしょうか?
坂本先生高校のクラスには少なくとも1人は海外から来た子が在籍をしています。昨年は9名の受け入れがありました。
思ったよりも多いですね。
坂本先生それくらいの人数を受け入れられることも本校の強みです。留学に来る子たちも、10代の若さで敢えて1年近く日本に来るという子達ですので、自分のキャリア設計を真剣に考えているんですね。
そうでしょうね。そうでなければ一人で海外に留学するまでには至らないと思います。
坂本先生それだけしっかり考えて日本にやって来たこというのが1人いると、他の子もすごく影響を受けるんです。その子たちが自分の生き方を考えた時に、今後どこで何をしていこうかということを、体現している子と出会えるというのは価値がありますよね。
貴重ですよね。
坂本先生学校生活の中で、オーストラリア留学だったり、留学生の存在だったり、自分と背景の違う子たちと出会って生活して行く環境を知って行く。その先に、今度は自分がどういう領域でどうやって生きていこうかと考えるようになります。高校はそれを試して行く場であると位置づけています。
学校で自分の生き方までも考えられる場になる。それは本当に貴重であるし、御校に入らなければ経験できないことだと思います。
坂本先生ありがとうございます。他にも修学旅行など体験学習の機会は沢山あります。例えば台湾にも姉妹校がありまして、現地の高校生と一緒に台湾を回るプランもあります。他にも海外だけでなく、日本国内を回るプランもあるんです。
本当に様々なプランが用意されているんですね。
坂本先生日本国内のプランは、自転車で広島からしまなみ街道を渡って四国に入るというプログラムです。
自転車で行くんですか?
坂本先生そうなんです。そのあとは愛媛から徳島の方に入りまして民泊をするんです。そこで宿泊先の家業を手伝うことで、現地の生活と文化を体験するというプログラムになっています。
なるほど。そのプログラムを通してどんな探究活動を行なっているのでしょうか?
坂本先生以前には、かなり過疎化が進んでいる地域を訪問して、現状と調査し、他の日本国内の過疎地域の現状や、それに対してどんな対策が存在するのか、一通り資料にまとめた上で、自分たちならどんな対策プランを考えて行動するか現地の方たちに向けてプレゼンテーションをしました。もちろん現地の方の反応は様々でしたが、それも大切な学びです。中には自分たちのアイディアが実際に地域創生のお土産品となって、商品化されるまでたどり着いた生徒たちもいます。
すごいですね!
坂本先生これらの探究活動の成果から自分の生き方を考え、大学の総合型選抜での進学にまでつながっていった生徒もいましたね。
探究活動の成果が大学受験まで繋がっているというのはひとつ大きな成果といえるのではないでしょうか?
坂本先生そうですね。
~海外で高校卒業の資格が取れる!?~
とてもユニークなお話がたくさん聞けたんですが、何か他にも取り組まれていることがありますか?
坂本先生そうですね。国際交流の話が今ものすごく進んでいます。実は海外の高校の卒業資格を取れるプログラムもあるんです。
海外の高校の卒業資格が取れるんですか?
坂本先生そうです。今、世界で最先端のオンライン授業の施設を持っているアメリカのロードアイランド州にあるプロビデンスカントリーデイスクールという高校が、世界25カ国ぐらいの高校生をオンラインで授業に参加をさせるという仕組みを持っているんです。
そんな仕組みを持っている学校があるんですか。世界は広いですね!
坂本先生それで本校が東京都内で7番目の認定校にしていただけました。このプログラムの凄いところは全部オンラインで完結するので、現地に留学しなくてもオンライン授業だけでアメリカの高校卒業資格がとれる点です。
オンラインだけで授業をして卒業資格まで取れるなんて、時代ですね。
坂本先生週に2~3時間ほどのライブ授業と課題があって、一定の成績をクリアできれば卒業資格が得られるんです。アメリカ国内にある18の大学が今パートナーシップ協定を結んでいて、これらは100%保証でアメリカの大学に入学できるようになっています。
100%保証ですか?
坂本先生そうです。それもどの大学も全米ハイランキングのトップ2~8%に含まれるレベルです。今後さらイギリス、カナダ、UAEなどパートナーシップ協定を結んだ大学が増えて30大学になる予定です。
なんか想像がつかない話になってきました…。
坂本先生本校からの一期生が次の3月に卒業予定です。英語で英文学や歴史、海洋学についてのディスカッションは彼にとって相当な刺激になったようです。この実績をもとに国内の大学の総合型選抜に挑戦して既にGMARCHレベルの大学に合格しています。
一期生が卒業ということはまだそんなに年数は経っていないんですね。
坂本先生はい。今年で3年目になるところですね。このプログラムを見て入学してくる生徒も増えています。
すごく魅力的なプログラムですものね!
坂本先生むしろ中学から希望している子の方が多いくらいなんです。
そうですよね!手を挙げる生徒は右肩あがりかと思います!
坂本先生英検2級を持っていれば中3から参加できますので、入学前から英検の資格を目指している生徒が増えた印象です。
これから益々盛り上がって行きそうなプログラムですね!
城西大学附属城西中学校のことをもう少し詳しく聞いてみました!
~どういった生徒が城西大学附属城西中学校にはあっている?~
ここまで注目ポイントについて聞いてきましたが、そもそものお話でどういった生徒が御校にあっているのでしょうか?
坂本先生そうですね。学校説明会では2つのことをお話しています。
それぞれ教えてもらえますか。
坂本先生1つ目が、学校生活の中でしか得られない経験というのが本校には沢山あります。そこに前向きになってくれる人が向いています。
先ほども、いろんな体験をするプログラムがあるとお話がありましたね。
坂本先生はい。そういうプログラムに積極的に手を挙げて、「やってみたい!」と思える子が一番合いますね。
逆に合わない子というのは何か基準があるのでしょうか?
坂本先生例えば、修学旅行や行事には一切関心がなくて机の上の勉強だけをずっとしていたいタイプの子や、教室内の人間関係から逃げて授業もオンラインで済ませたいという子には合わない気がしますね。
そうですね。御校は体験や交流を大事にしている学校ですので、そこで完結する人は合わないかもしれないですね。
坂本先生そうなんですよ。中学生が集まればトラブルは確かにおきますが、そのトラブルに出会った時に、そこから何を学んで、次にどう動くか真剣に考える経験を社会に出る前に山ほどしてほしいなと思っています。
そうなんですね。
坂本先生ですので、いろんな環境に飛び込んで、そこの中で学べる子に来てほしいなという思いがあります。
なるほど。2つ目にお伝えしていることはなんですか?
坂本先生もう1つは、体験を通した学びが大事ということを言っているんですが、時折、「じゃあ、机の上の勉強をしなくていいの?」という方がいらっしゃるんです。
え!?逆にそっちも大事にしなければならないと思いますが…。
坂本先生そうなんですよ。だから私も「逆だよ」と教えているんです。やはり普段から基礎学力を身につけていこうという姿勢がある方に集まって欲しいんです。
なるほど。
坂本先生基礎学力があるかないかで経験させた時に気付けるものの質が全然違うんです。留学なんかが良い例で、同じ国に同じ期間行っていても、多くの気付きを得て成長して帰ってくる子もいれば、何も気付かずにただ旅程をこなして帰ってくる子もいます。
貴重な体験をしているのにもったいないですね。
坂本先生元々、身の回りのあらゆることから学ぼう、身につけていこうという姿勢と基礎学力は比例します。せっかく色んなことを学校で体験できるんだったら、机の上の勉強にも手を抜かない子。色んなことを見聞きして身につけていこうという姿勢のある子に集まって来てください、とお伝えしています。
貴重な経験ができるからこそ、いっぱい気づいてもらいたいし、それを生かすために自ら考えてもらいたいということですよね。
坂本先生そうですね。元々本校の沿革が貿易と国際交流から始まっています。尚且つ、野口援太郎が「体験を通した学び」と「人間関係の中での成長」を大正時代から謳っています。この2つは外せないですね。
~学習面のサポート体制について~
ここからは学習面のサポート体制についてもお伺い出来ればと思います。
坂本先生中学1年の初期段階で勉強の仕方・方法についてかなり面倒を見ています。例えば中学1年生だと、最初の1学期が終わった段階で夏期補習を全員に実施し、自分の1学期成績を確認します。
全員がするんですか?
坂本先生はい。中間・期末試験があって成績が出ました。じゃあ、目標をクリアするために1学期にどういう勉強をしてきたか。もしかしたら、あなたが勉強だと思っている行動は、実は勉強じゃないかもしれない。例えばスマホで単語や問題を眺めているだけの行為は勉強ではないと教えるんです。
みんなにそれを教えるのはすごいですね。普通教えてもらえないですよ。
坂本先生そうですね。その勉強の進め方、授業の受け方を含めた補習を中1の初期に行います。
手厚いですね。
坂本先生だから、担任がそれぞれの生徒の学習状況や生活状況をかなり細かく見ています。中1から成績が悪くてそのまま放って置かれる環境にはなっていないかなと思います。
それは嬉しいですね。私も勉強のやり方をもう少し知っておけばよかったなと思います。
坂本先生勉強の進め方や課題のこなし方を1つずつちゃんと彼らの理解に落とし込んでいく作業をなるべく早い段階でやりたいんです。だから中学で徹底的にやっていくんです。
そうなんですね。
坂本先生特に英語については、帰国生入試や英語資格型入試をやってる学校ので、入学の段階で英検2級くらいの子が1割くらいいるんです。そういう子と、英語のスタートラインが全く0の子たちでは別のサポートが必要です。
それぞれ別で授業を組んでくれるということでしょうか。
坂本先生そうです。週に3回だけネイティブ教員が入る授業はレベル別に分けています。英検準2級以上を持っている子たちに対してはハイレベルのクラス授業展開で進めていけるようにしています。
本当にその子たちのレベルに合わせて授業が展開しているんですね。
坂本先生特に英検準1級以上を目指す世界になってくると、学年関係なく参加できるネイティブ教員の講座があります。これは中学、高校年齢に関係なく英語の実力でクラスを分けて行います。
なんだか、いい刺激になりそうですね。周りもそうやって頑張っているんだというのを年齢関係なく行えるというのは。
坂本先生英語については早くやっている子は相当力を持っているので、それがちゃんと活かせるようになっているんです。
~学校への通いやすさは?~
御校への通いやすさについて教えてください!
坂本先生最寄りの駅が2つあります。有楽町線の要町駅と、西武池袋線の椎名町駅です。最近は有楽町線側の方が多いという印象です。
なるほど。
坂本先生西武池袋線沿線に住んでいると練馬、所沢、飯能方面からが多いですね。要町、椎名町、どちらの駅からも徒歩7~8分と近いのもいいですね。
確かに私も本日要町駅から来ましたが、10分かからなかったです。
坂本先生そうでしょう。池袋が近いのでなんとなく繁華街のイメージを持たれますが、実際には池袋からは山手通りを隔てた静かな住宅街の中にあります。
周りは静かですよね。住宅街の中にあるので通いやすい印象を受けました。
坂本先生路線も色んな方面に延伸しています。有楽町線ですと豊洲方面までのびているので山手線の反対側からも1時間以内で通えます。豊洲・新橋だと、千葉方面からも乗り換えで来ることができます。
そうですね。新浦安からも通いやすいですね。
坂本先生ええ。そうです。埼玉方面は昔から多く、有楽町線はそのまま東武東上線につながるので和光や新座、志木、川越あたりまではいますね。
そうなんですね。
坂本先生自転車通学もできるようにしています。1km以上、4km未満というのが条件です。
絶妙な距離ですね。
坂本先生1kmくらいなら歩いて来てもらって、4kmより遠くなるとちょっと危なくなってくる。なのでこのエリアに設定をしています。
電車も路線がたくさんあり、自転車通学も可能。通いやすさは抜群ですね!
入試についてもお伺いしてみました!
~城西大学附属城西中学校に合格するためにどんな準備をすればいいの?~
それではここから入試のことについてお伺いできればと思います。御校に合格するために受験生はどんな準備をすればいいのでしょうか?
坂本先生入試問題そのもののお話をすると、極めてスタンダードな出題をしています。
なるほど。
坂本先生入試日程で言うと、全部で4日、合計5回の一般入試が行われます。2月1日の午前・午後の回があります。2日の午前は2科型・4科型と公立中高一貫校と同じ形式の適性検査型に分けて行っています。そのあと、5日・7日まで試験を行っています。
全部で5回もチャンスがあるのは大きいですね。こちらはどこを受けてもいいんでしょうか?
坂本先生はい。全部受けられます。例えば、本校を第一志望にしたいということであれば1日の午前の回から受ける方もいます。他に第一志望の学校があり併願を希望しているのであれば、1日の午前は第一志望の学校を受けて、午後に本校を受験する方が多いですね。
そうなんですね。
坂本先生1日午後の受験者が一番多いですが、2日に受ける方ももちろんいます。最近はWeb出願が当たり前になってきましたので、1日の入試の結果発表を見てから2日の入試に出願する人もいます。
すぐに結果がわかるというのもこの時代ならではですよね。スピーディに次の計画を立てられるのはいいですよね。
坂本先生そうですね。あとは都立中高メインで受験を考えている方だと、もう最初から併願計画に入れています。本校だと都立大泉中学校と本校の併願パターンは非常に多いです。何しろ大泉学園駅まで同じ西武池袋線で1本なので通学を考えると非常に近くて通いやすい。
そうなんですね!
坂本先生だから大泉中を第一志望にしている方は、2日の午前に本校を受けておくことをおすすめしています。昨年も100人以上受けています。
100人って、結構多いですね!
坂本先生さらに、後半の5日・7日も用意しています。1日、2日とずっと不合格になっていた子が、7日で初めて合格できた例もあります。最後までチャレンジしてほしいですね。
日程をちゃんと見て計画を立てることも大事ですね。試験の対策はどういったことを準備すればいいでしょうか?先ほどスタンダードな問題がでるとお話がありました。
坂本先生長難問を解き続ける勉強は必要ないんじゃないかなと思います。ただ、最近の入試問題の流れで読解量と記述量が増えてきていますのでそれを嫌がらないでほしいなというのはありますね。
記述と読解が増えてきているんですね。
坂本先生国語だとだいたい40字以上50字以内で説明しろとか、書きなさいという出題が多いです。この記述量なら、解答に含めなければいけない要素が2つはあるはずです。それに気にして回答を書けているかが重要ですね。
なるほど。
坂本先生あとは小学生だと、文末表現を知らなかったり、気づけなかったりするので、ぜひそういうことは教えていただけるといいなと思います。
理由を聞かれているならば、「〇〇だから」とか、どういうことか説明しなさい、と聞かれたら「〇〇こと」とか、文末の表現のことですね。
坂本先生そうです。そういう部分ができるかどうかで、すごく差がついてきます。
そこは今からでも振り返ってすぐに勉強ができる部分でもありますね。
坂本先生あとは、入試説明会で入試対策授業を毎年12月と1月にやっています。これは入試問題を作った先生が自分で授業をするというイベントです。それに参加していただけると、入試の出題傾向が見えて来るのではないかなと思います。
そんな手厚いイベントも毎年開催されているんですね。
坂本先生はい。合格最低点は、今は50%くらいになっています。だから全部正解する必要はないんです。どんなに調子が悪くても半分は正解できるように準備しておくのがいいと思いますね。
なるほど。それを知っているのと知らないとでは心持ちが違いますよね。
坂本先生本番が近づいてきた中で、今から満点とれるよう全部やりきろうというのは難しいと思います。だから本番では半分できればいいんだという落ち着いた気持ちで取り組んでほしいと思います。
とにかく半分は!という気持ちで御校の試験に臨めればいいということですね。
坂本先生そうです。それと本校では1つ、欠席者を対象に追試を行なっているんです。コロナ以降始めたのですが、当日発熱等の体調不良があった場合はそちらを使っていただけます。
なんと!当日に風邪を引いてもそのあとまだチャンスをいただけるんですか?
坂本先生はい。コロナに限らず、インフルエンザや感染症の疑いがある場合は欠席して追試に切り替えてくださいとお伝えしています。22日に追試を設定しています。
2月の後半になりますが、いってみればそこまでチャンスがあるということですね。
坂本先生だから、本校を出願しておけば、万が一2月1日から発熱して試験を受けられないという方も、チャンスを拾えるように作っています。こういう細部の情報も見ておくと安心感が違いますよ。
本当にそうですね!すごく手厚い措置だと思います!
~受験生の保護者はどんな準備をしたらいいの?~
ここまで受験生が準備することを聞いてきましたが、保護者が準備することは何かありますでしょうか?
坂本先生そうですね。お子さんと一緒に結果をちゃんと受け止めることですかね。もし万が一不合格だった時に、お子さんより落ち込まないでください。
やはりお子さんより落ち込んでしまう親御さんはいるのでしょうか?
坂本先生少なくないです。中学受験はお母様、お父様が頑張らなければいけない部分も多いですし。ご家庭の中で、ご本人とお父様、お母様がいて、その中で一番中学受験に熱心なのは誰ですか?ということを聞きます。子供は自分で受けた結果を受け止めるので、もしそれがダメだった時は落ち込むのは当たり前なんですね。
一番頑張っているのはお子さん自身だと私は思います。
坂本先生そうですね。ただ、お子さんの落ち込んでいる姿というのを見たくないという気持ちはわかるんです。でも、それを受け止めることをやってあげないと、中学受験をする価値が半分無くなってしまうと思うんですよ。
そういった時に親御さんはどういったことに気をつけて子供さんと接すればいいんでしょうか?
坂本先生むしろやってほしいことは、1つダメだった時にそこからどう次に繋げられるかというのは親の責任だと思います。
なるほど。
坂本先生都内にはとてもいい私立学校が沢山あります。その中で親御さんが自分の子どもを安心して任せられる学校をいくつ見つけておけるか。これが大事なんです。たくさんある私学の中から実際の受験スケジュールを見て、決めていくことは親にしかできませんからね。
確かに子供さんには入試のスケジュールを組むことはできませんからね。親御さんの事前のリサーチもとても重要ですね。
坂本先生そうなんです。子どもが落ち込んでいる間に親は次のことを考えなければいけません。2月1日の合否が判明したら、2日はどの学校にWeb出願するか悩まず決められるよう複数の候補を準備しておく。もちろんどこを受ける場合でも必要な書類の準備も済ませておく。そういう視点に立って計画を進めて、最終的にご縁があった学校とつながって受験を終えられるといいなと思います。
最後は笑って受験を終えられるといいですよね。
坂本先生色んな学校があって、確かに第一志望の学校に合格できればいいですが、私としては最終的にご縁があった学校というのが一番いい学校なのではないかと感じています。
それはどういった部分から、そう感じられているんでしょうか?
坂本先生本校にも、2月7日まで他の学校を受け続けて、ずっとご縁をいただけなかった子がいたんです。それまでは本校の存在すら知らなかった方なんですが、たまたま塾からの紹介で本校を受験してくれました。
そういう生徒さんがいるんですね。
坂本先生はい。その生徒はなんと2月7日の入試、総合順位2番で合格しているんです。入学後は大活躍しています。英検2級をとって長期留学にまでチャレンジしていますよ。
そこまで活躍されていると、なんだかそれまで他の学校に合格しなかったのは、御校にご縁があって呼ばれたんじゃないかという感じもしますね。
坂本先生本当にそういうことがある世界なので、最初に思い描いていた第一志望じゃダメ!それ以外は行く価値はない!と思わず、色んな選択肢があって、その中から親御さんと子供さんが納得いく形で選べるような状況が一番いいと思います。
~受験生へのメッセージ~
最後に受験生へのメッセージをいただけますでしょうか?
土佐先生1日や2日じゃなく、ご家族一丸となって長い期間準備して勉強してきたと思います。人生で初めての挑戦、というお子さんも多いと思います。それが一番納得のいく結果に収まるといいなと思います。それは、良い結果だけでなく、たとえ悪い結果となったとしても、ひとつの学びとして受け取ってほしいんです。
「この学校に合格できなかったから、私はもうダメなんだ」と思う必要は1つもありません。やれることを最後までやりきって、その結果を正しく受け止めることができたら、次にもっと頑張れる力になりますから。
だから本当に体調だけは気をつけてほしいです。残り短い入試までの期間を万全の体調ですごしてくれたら、それだけで最後まで勝負し切れるので一つ勝ちだと思います。
ぜひ結果とまっすぐに向き合えるような形で受験を終えてください。
学校の特色
授業
学校行事
様々な体験を通して、仲間と学ぶ学校行事!
~学校行事について話を聞いてみました!~
学校行事もたくさんのことをしているとお話の端々から伺えましたが、何か御校の特徴となる行事はありますか?
坂本先生実はコロナでずっと行けていなかった修学旅行が、今年から行けるようになりました。行き先はハワイです!本当にハワイの面から裏まで全部体験して来るというのをやっているんです。
どんな体験ができるんでしょうか?
坂本先生4日間のうちの2日間は、現地にホームステイをさせてもらいます。その中で平和学習として、太平洋戦争の降伏文書調印式が行われた戦艦ミズーリ号を見学に行きます。ハワイは真珠湾やアメリカ海軍太平洋艦隊の司令部があり、太平洋戦争と切っても切り離せない場所ですので。
そのイメージは凄くあります。
坂本先生それ以外にもハワイは日系移民の方が結構いるんです。その方達がハワイの中でどういう風に現地を切り開いて根付いて行ったのかということも勉強します。ハワイの中でもメジャーではない場所にいって、貧困をテーマに学ぶこともします。
なかなか学ぶことないテーマですね。
坂本先生そうですよね。現地には700年前から魚の養殖をしている場所があります。飢餓から人々を守るために伝統として残っているんです。
そんなに昔から養殖をしているんですか?
坂本先生それ以外にもアボガドの栽培もしていまして、その収益を貧困層の対策に充てる、そんな仕事が代々受け継がれています。
そうなんですね。
坂本先生あとは孤児院にも生徒と行きまして、そういう子たちが現地でどのような仕事をしているのかを見せてもらう。街の清掃などにも従事して、活動する中で街の人から感謝の言葉をいただく。自分の尊厳を失わせないよう、そういう体験を得られる仕組みがあるんです。
そういう仕組みができた理由はなんなんでしょうか?
坂本先生そうですね。ハワイがまだ貧しかった頃に犯罪が横行していたようですね。そういう体験を子供達にさせたくないという思いが、この仕組みを作っていると伺いました。
ハワイと聞くと華やかなかイメージがありますが、そういう表では見えない部分もしっかりと学んでくるということも大事なんだなとお話を聞いていて思いました。
坂本先生ハワイは気候が温暖なので凍死する恐れがない。なので家を持てない状況になってしまった方が全米から集まってきて新たな貧困層が形成され始めているそうです。そういったことも現地に行かないと知ることが出来なかったことですね。
部活動
陸上では東京オリンピックに出場したサニブラウン選手をはじめ、多くのオリンピアンが活躍している。
通常、各部の方針で取り組みが行われている部活動。陸上、軟式野球、サッカー、柔道や剣道など、勉学だけでなく力を入れている部活も多い。部活参加は必須ではないものの中学生の参加率は9割を超える。
~ インタビューを終えて ~
穏やかな語り口調の中に、学校に対する情熱を感じられる場面がいくつもありました。体験する学びを大事にする城西中学校は、10年、20年後先の行き方を見据えた教育が100年を超える今も連綿と受け継がれています。ここで育った生徒たちが国内外で活躍する姿が目に浮かぶようなインタビューでした。
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