• 2024年8月20日
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広尾学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

広尾学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

広尾学園中学校は理系や英語教育に注力する学校です。この記事では、広尾学園中学校を目指す家庭に向けて、科目別の出題傾向や勉強法を紹介します。

そもそも広尾学園中学校ってどんな学校?

そもそも広尾学園中学校ってどんな学校?

大正七年に、女子教育の先駆者下田歌子を初代校長にむかえ、前身である順心女子校が設立されました。その後、平成19年に広尾学園中学校に改称し、共学へと移行。最新のテクノロジーをベースとし、 ICT環境、教育活動の高度化を図るカリキュラムを採用する学校として、人気を集めています。

広尾学園中学校には医療・サイエンスコースがあり、国内外の医系・理系大学への進学が可能となるような教育を実現しています。

理系だけではなく、英語教育やICTツールも重視したカリキュラムです。英語教育は、週三回の外国人教員による英語の授業を実施していますし、夏休みには、希望する生徒は海外短期留学を経験することができます。なお、学力だけではなくマインドの育成にも注力しているのが特徴です。コースの三本柱として「授業、研究活動、中高大・産学連携」を掲げています。

広尾学園中学校では、生徒の学習進度に合わせたP.L.T.プログラムも行っています、P.L.T.プログラムとは、生徒一人ひとりの学習進度に対応した小テストです。この小テストを通して基礎学力の定着化を図っています。学期末には P.L.T.期末確認テストを実施。学期全体の成績表と復習問題集を生徒各自に配布しています。不得意分野を徹底的にフォローすることができるので、とても効果的です。

なお、広尾学園高校への内部進学は、学力面や生活態度などでその可否を総合的に判断しています。

広尾学園中学校の入試概要

広尾学園中学校の入試概要

広尾学園中学校の入試について見ていきましょう。

2025年度の入試

第一回は2月1日午前で本科50名募集、第二回は2月1日午後で本科/インターナショナルSG70名募集です。医進・サイエンス回は2月2日午後で35名募集、国際生AG回は2月3日午前で15名募集、第三回は2月5日午前で35名募集です。出願開始は一律で1月10日、締め切りは第一回と第二回が1月31日、医療サイエンスと国際生AGは2月1日、第三回は2月4日までとなっています。

受験料は同時出願に限り二回まで25,000円、三回30,000円、四回35,000円、五回40,000円、追加一回につき5,000円です。

2024年度の倍率

第一回

2月1日、第一回の受験者数は350名で、合格者数は75名、実質倍率は約4.7倍です。男女別で見ると、男子の受験者数は90名で合格者数は26名、倍率は約3.5倍。女子の受験者数は260名で合格者数は49名、倍率は約5.3倍となっています。なお、合格者の内、特待生となったのは男女それぞれ1名ずつです。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月1日 第1回(総計)350名75名約4.7倍
2月1日 第1回(男子)90名26名約3.5倍
2月1日 第1回(女子)260名49名約5.3倍

第二回

第二回は本科とインターナショナルSGを志望する生徒が受験しました。本科の受験者数は522名で合格者数は178名、実質倍率は約2.9倍です。男女別で見ると、男子の受験者数は237名で合格者数は79名、倍率は約3.0倍、女子の受験者数は285名で合格者数は99名、倍率は約2.9倍でした。合格者の内、特待生となったのは男子6名、女子3名でした。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月2日 第2回 本科(総計)522名178名約2.9倍
2月2日 第2回 本科(男子)237名79名約3.0倍
2月2日 第2回 本科(女子)285名99名約2.9倍

第二回インターナショナルSG

第二回のインターナショナルSGでは、受験者数は316名で、合格者数は119名、実質倍率は約2.7倍です。男女別に見ると、男子の受験者数は128名で合格者数は58名、内31名が本科で合格しました。女子の受験者数は188名で合格者数は61名、その内36名が本科で合格しています。なお、合格者の内、特待生は男子3名、女子6名です。実質倍率は本科とインターナショナルSG合わせて約2.8倍です。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月2日 第2回 インターナショナルSG(総計)316名119名約2.7倍
2月2日 第2回 インターナショナルSG(男子)128名58名約2.2倍
2月2日 第2回 インターナショナルSG(女子)188名61名約3.1倍

医進・サイエンス

2月2日の医進・サイエンスの受験者数は381名で合格者数は112名、実質倍率は約3.4倍です。男子の受験者数は220名で合格者数は75名、実質倍率は約2.9倍、女子の受験者数は161名で合格者数は37名、実質倍率は約4.4倍でした。内特待生は男子7名、女子2名です。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月2日 医進・サイエンス(総計)381名112名約3.4倍
2月2日 医進・サイエンス(男子)220名75名約2.9倍
2月2日 医進・サイエンス(女子)161名37名約4.4倍

国際生AG回

2月3日午前の国際生AG回の受験者数は140名、合格者数は22名、実質倍率は約6.4倍です。男子の受験者数は69名、合格者数は12名で実質倍率は約5.8倍。女子の受験者数は71名、合格者数は10名で実質倍率は約7.1倍となりました。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月3日 国際生AG回(午前)140名22名約6.4倍
2月3日 国際生AG回(午前・男子)69名12名約5.8倍
2月3日 国際生AG回(午前・女子)71名10名約7.1倍

第三回受験

2月5日の第三回は本科の受験者数が400名で合格者数が69名、実質倍率は約5.8倍でした。男子の受験者数は171名で合格者数は36名、実質倍率は約4.8倍。女子の受験者数は229名で合格者数は33名、実質倍率は約6.9倍。女子の特待生は1名でした。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
2月5日 第3回 本科(総計)400名69名約5.8倍
2月5日 第3回 本科(男子)171名36名約4.8倍
2月5日 第3回 本科(女子)229名33名約6.9倍

第三回インターナショナルSG

第三回インターナショナルSGは受験者数204名で合格者数47名、その内34名が本科で合格しています。男子の受験者は73名で合格者数は15名、内9名が本科で合格しています。女子の受験者は131名で合格者数は32名、内25名が本科で合格しています。特待生は女子1名でした。実質倍率は本科とインターナショナルSGを合わせて約5.2倍です。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数本科合格者数
2月5日 インターナショナルSG(総計)204名47名34名
2月5日 インターナショナルSG(男子)73名15名9名
2月5日 インターナショナルSG(女子)131名32名25名

帰国生入試

帰国生入試も行われました。帰国生入試の12月21日のインターナショナルAGは受験者数165名で、合格者数は53名、実質倍率は約3.1倍でした。12月22日の本科・SG・医進・サイエンスは受験者数171名で、合格者数51名、実質倍率は約3.4倍となっています。

実質倍率は小数第二位以下を四捨五入しています。

受験日・区分受験者数合格者数実質倍率
12月21日 インターナショナルAG(帰国生)165名53名約3.1倍
12月22日 本科・SG・医進・サイエンス(帰国生)171名51名約3.4倍

広尾学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

広尾学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

広尾学園中学校の本科における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は文章量が多いためハイスピードで

国語は試験時間が50分で配点は100点、大問は四つです。また、漢字の書き取りと総合知識問題の大問がそれぞれあり、他校に比べ知識を問う問題の分量が多いです。

漢字の読みや書き取り、総合知識問題は難易度の高いものも多く出るため注意して臨んでください。まとめ教材だけで対策するのは難しいです。難易度の高い語彙まで押さえておくようにしましょう。

ただし、読解文に関してはそれほど難しいわけではありません。ただ、内容は難しくなくても、一万字を超えるボリュームでの出題もあるため、かなりのハイスピードが要求されます

算数は図形が出やすい

算数は試験時間が50分で配点は100点、大問は五つ程度です。頻出単元としては、平面図形立体図形規則性数の性質が挙げられます。大問一二は計算問題と小問集合であるため得点しやすいでしょう

問題は大問三以降で、単元別の出題になります。そこまで難しい問題が出るわけではありません。また、算数は作図の問題が出題されるので、対応できるようにしておきましょう

理科は各分野からの出題

理科は試験時間が30分で配点は50点、大問は四つです。各分野からの出題となっています。実験観察からの出題が多く、計算問題がたくさん出題されます。

記述問題も多く、時間がかかるので制限時間の30分はタイトだといえます。そこそこ長めのリード文の問題が多いので、素早く読んで処理していきましょう

社会は考察論述が出題

社会は試験時間が30分で配点は50点、大問は四つです。各分野からの出題となっています。問題を見てわかるとおり、地図や地形図資料や図版がとにかくたくさん載っています。

必要な情報を読み取って解くタイプの問題が多いです。他の分野より地理の難易度が高めの傾向にあります。大問四で考察論述が出題されるので、文章を書けるようにしておきましょう。

ポイント
  • 国語は知識を問う問題の分量が多く、算数は図形の問題が頻出単元で作図の問題も出題される
  • 理科は実験や観察からの問題と計算問題が多く、社会は必要な情報を読み取って解くタイプの問題が多い

広尾学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

広尾学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

広尾学園中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

総合知識問題対策を徹底的に

難易度の高い総合知識問題がたくさん出題されるのが、広尾学園中学校の特徴です。受験直前にまとめ教材で付け焼き刃な対策をしても、解けるレベルではありません。そのため、日頃からいかに語彙を増やしておくかが問われます。

国語の文章問題を練習する際に、確実に一つひとつの語彙を理解しておくことが大切です。わからない言葉が出てきたら、その都度意味調べをし、その場で覚えましょう。後回しにしないようにしてください。

速読は必須

一万字超えの大ボリュームの文章が出題されるため、速読は必須となります。一分間700字を目指しましょう。文章を飛ばし読みしてしまう子供は音読から始めてください。スラスラ淀みなく読めるよう練習します。

学習において必要な「視線の移動」を不得意とする子供は一定数います。そうした子供は文章を一行ずつ追うのが苦手です。その場合は、読んでいる箇所に定規をあてがったり、指差しをしたりすることで対応しましょう。その上で徐々にスピードアップを図っていきます。文章を読む際に必ずタイムを計るようにしましょう。

説明記述の字数に対応できるように

記述問題では「80字以上100字以内」など、字数指定がある問題がよく出るので、指定された字数内に収まるように文章をまとめていかなければなりません。文章の要点を指定された字数内で書ききる技術を身につけておいてください。

広尾学園中学校のの国語対策
  • わからない語彙が出てきたら、その都度調べて日頃から語彙を増やす努力をする
  • 一万字超えの文章が出題されるため、速読は1分間で700字読めるようにしておく

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

還元算が解けるように

計算問題ではよく還元算が出題されます。計算問題集をやり込んで、確実に解けるようにしておくとよいでしょう。

過去問をやり込んで小問集合で失点しないかをチェック

小問集合は確実に得点しなければならないので、過去問をやってみて現状どのぐらい解けるかをチェックしておきましょう。万が一、失点しているようなら、該当の単元をやり込む必要があります。算数は頻出単元から出題されますが、それ以外からも幅広く出ますので網羅的に対策しておきましょう。

作図の対策をしておこう

図形問題は頻出なので、過去問をやって似たような問題を解けるようにしておきましょう。作図も出題されるので、できるようにしておきます。作図が汚いと得点できないので、塾の先生や家庭教師にチェックしてもらってください

広尾学園中学校のの算数対策
  • 計算問題集と過去問をやり込み、計算問題と小問集合は確実に得点できるようにしておく
  • 作図の練習をするときは塾の先生や家庭教師にチェックしてもらう

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

難易度自体が高いわけではない

理科の問題は難易度自体が高いわけではありません。しかし、記述問題や計算問題が多いため、時間内にどう得点するかがカギとなります。自分の得意分野から解くなど過去問を解きながら戦略を立てておきましょう

リード文からヒントを読み解こう

理科はリード文が長い傾向にあります。過去には、リード文のある箇所が空欄になっていて、当てはまる適当な文章を書けという記述問題が出題されています。文章をよく読み込まなければ解けないタイプの問題です。読み飛ばさずに要点を押さえる習慣をつけましょう

広尾学園中学校のの理科対策
  • 過去問などを解きながら、問題を解く戦略を立てておく
  • リード文がヒントになることがあるため読み飛ばさずにきちんと要点を抑える習慣をつける

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

問われている知識自体の難易度は高くない

社会の知識問題では難易度の高い問題は出ていません。しかし、リード文にボリュームがあり、資料も多いため、必要な情報を読み取る作業で苦戦する子供が多いです。過去問をやり込んで出題形式に慣れておきましょう

考察論述に対応できるように

社会の特徴といえば、なんといっても大問四で出題される考察論述です。あるテーマに基づいて提示された資料を読み解き、考察していきます。ここで扱うテーマは、受験テキストに載っているタイプではないので、自分なりに解けるようにしておく必要があります。日頃から社会の仕組みや背景について考える習慣をつけておきましょう。塾や家庭教師に頼んで、過去問を分析した上での対策問題を作ってもらうとよいです。

広尾学園中学校のの社会対策
  • 知識問題の難易度は高くないので、過去問をやり込み出題形式に慣れておく
  • 考察論述問題に対応できるように、日頃から社会の仕組みや背景について考えたり、塾や家庭教師に対策問題を作ってもらう

広尾学園中学校の問題は記述がカギ

広尾学園中学校の問題は記述がカギ

広尾学園中学校の入試問題は科目によって難易度にばらつきがあり、それぞれに合わせた対策が必要です。

国語は速読が欠かせないので、速い内から練習しておきましょう。また、総合知識問題の分量が多く、難易度も高いです。確実に解くためには日頃から語彙力を固めておかなければなりません。国語は直前の対策だけでは合格ラインに到達できないので、早いうちから備えておきましょう

算数は計算や小問集合で失点しないようにし、頻出単元を中心とした対策をします。ただし、全体で見ると出題傾向は広く、網羅的な理解が必要です。

理科は知識問題の難易度自体は高くないので、いかに文章や図表から必要な情報を素早く読み取れるかが問われます。計算問題も記述問題も年度によっては作図問題も出題されるため、時間に余裕はありません。解く順番が大切です。

社会も理科と同様、時間はタイトです。社会は考察論述が解けるかどうかがカギす。過去問の類題を出してもらって、練習しておきましょう。

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