• 2024年6月14日
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法政大学中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

法政大学中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

法政大学中学校は、法政大学によって創立された付属校で、現在は男女共学校として運営されています。将来的に法政大学への進学を見据える家庭から人気です。この記事では、法政大学中学校を目指す家庭に向けて出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも法政大学中学校ってどんな学校?

そもそも法政大学中学校ってどんな学校?

法政大学中学校は法政大学によって創立されました。1936年から始まっている伝統校で長い歴史を刻んでいます。「基本的人権の尊重」「平和で安全に生きる権利の保障」「他者への寛容と共生、連帯の追求」の課題に取り組むために、「自立的で豊かな人間性に満ちた個人の育成、主体的な判断力・行動力を備えた有為な市民の養成」を目指している学校です。

中学・高校・大学の十年間一貫教育を実現していて、法政大学高等学校を卒業した人間の八割五分以上が法政大学に進みます。法政高校への進学は中二修了時に総合成績の概ね六割以上をクリアすることが条件です。もし、クリアできていない場合は、中三の成績や学力試験で基準に達していれば進学が認められます。

また、法政大学への推薦入学資格の取得は、高校三年間の総合成績で六割以上をとり、英語資格試験および基礎的思考力確認テストで法政大学が定める基準を満たすことが条件です。進路希望登録を行うのは高三の十二月。そこで推薦学部・学科の内定となります。希望する学部学科に多くの人が進学できていますが、必ずしも希望通りにはなりません。

法政大学中学校の入試概要

法政大学中学校の入試概要

法政大学中学校の入試について見ていきましょう。

2024年度の入試

第一回は2月1日(木)で男女約50名、第二回は2月3日(土)男女約50名、第三回は2月5日(月)男女約40名です。男女比が一対一になるよう、男女それぞれ入試結果上位から合格者を確定していきます。出願期間は第一回が1月10日から1月24日、第二回が1月10日から2月1日、第三回が1月10日から2月4日までです。

入学検定料は各回25,000円ですが、複数回だと安くなります。たとえば、二回であれば五千円安くなり45,000円、三回であれば一万円安くなり65,000円です。合格発表は各試験当日発表、繰り上げ合格発表は各回とも2月7日でした。

2024年度の入試倍率

第一回の受験者数は男子98人で合格者数40人、実質倍率2.5倍、女子134人で合格者数50人、実質倍率2.7倍、第二回の受験者数は男子159人で合格者数40人、実質倍率4.0倍、女子205人で合格者数47人、実質倍率4.4倍、第三回の受験者数は男子135人で合格者数21人、実質倍率6.4倍、女子214人で合格者数29人、実質倍率7.4倍でした。

男子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回98人40人2.5倍
第二回159人40人4.0倍
第三回135人21人6.4倍

女子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回134人50人2.7倍
第二回205人47人4.4倍
第三回214人29人7.4倍

法政大学中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

法政大学中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

法政大学中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は文章理解から知識まで広く

試験時間は50分で配点は150点です。大問は二つで物語文と説明文がそれぞれ出題されます。国語は文章理解の問題から知識問題まで出るため、広く内容を押さえておくことが必要です。漢字の書き取りや語彙、文法の問題にも対応できるようにしておきましょう。漢字は「とめ」「はね」「はらい」ができているかまでチェックされます。

選択問題が多いですが、各大問に記述問題がひとつずつ出ます。要点のまとめ方を見られるので、本文をそのまま落とし込まないようにしましょう誤字脱字が減点対象なので、見直しは欠かせません。問題文は九千字ほどなのでボリュームを覚悟して臨まなければなりません。

算数は出題傾向が明確

試験時間は50分で配点は150点です。大問は六つ前後。大問一で計算、大問二で小問集合、大問三以降は単元別の大問が出題され、ひとつの大問につき小問が二問ほど出ます。途中式は採点対象にならず答えだけを書き込むタイプの解答用紙です。

単元としてよく出るのは、量・平面図形・空間図形・場合の数などで、解答形式はぜんぶ答えのみとなっています。出るのは標準レベルの問題ばかりで難しくはありません。出題単元も明確なので、過去問をやり込むことで対策ができます。

理科は基礎知識および実験・観察からの出題

試験時間は35分で配点は100点、大問は五つです。各分野からバランスよく出題されるため、生物・地学・物理・化学のすべての分野に備えなければなりません。

また、実験や観察から出題される問題も多いです。基礎からの出題が多くあります。

社会は各分野と時事を

試験時間は35分で配点は100点、大問は三つです。社会は地理・歴史・公民の各分野から満遍なく出題されます。適語補充・選択問題・記述問題などの出題形式です。

人名や用語については漢字で書くものは漢字で書いてください。歴史分野はさまざまな時代から問題が出されます。なお、時事問題からの出題もあります。

ポイント
  • 国語は記述問題で要点のまとめ方を見られ、算数は標準問題が多く途中式は採点対象外
  • 理科は実験や観察から出題される問題が多く、社会は各分野から満遍なく出題される

法政大学中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

法政大学中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

法政大学中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

考察問題に要注意

物語文と説明文がそれぞれひとつずつ出題されます。そのため、物語文・説明文、それぞれの問題をやり込む必要があります。小学生では「物語文より説明文のほうが苦手」という子供が大半です。

説明文を解くコツは、構成を把握できるようになること。冒頭付近で文章全体のテーマを問いかけてはいないか、文章の結論が最後近くの段落で書かれてはいないかなど、基本的なところからチェックできるようにしましょう。まずは形式段落を意味段落ごとに分け、どのように説明文を展開させているかを把握する練習をします

物語文は場面転換ごとに分けるところから始めましょう。登場人物の整理や、それぞれの心情描写を追う練習をしてください

漢字の書き取りに注意

「とめ」「はね」「はらい」をきっちり採点してくるのが、法政大学中学校の国語です。そのため、字の形は覚えていても細部まで丁寧に書けない子供は圧倒的に不利となります。字を丁寧に書けていない子供は、自分の字が減点対象であるとわかっていないことも多いです。

そのため、日々漢字テストを実施して、どこをどのように減点せざるを得ないのかを具体的にフィードバックしていくしかありません。このとき、評価基準を崩さないことです。「このぐらいでよいか」という油断があると、字は崩れていきます。受験の厳正な基準を想定して採点していきましょう。

言葉の知識を増やしておこう

言葉の知識問題も多く出題されるため、ことわざ、慣用句、四字熟語等の語彙をインプットしておかなければなりません。受験直前に語彙を増やそうとする子供はよくいますが、それでは間に合わない可能性があります。国語の問題を解く際に、わからない言葉をそのまま放置しないことが大切です。ひとつひとつ、文脈の中で記憶していきましょう。

速読をできるようにしよう

文字数が九千字前後ということで、ボリュームはかなりあります。問題を解き進めるためには読む時間を短縮しなければなりません。文章をサクサク読む力を身につけさせましょう。

法政大学中学校の国語対策
  • 物語文、説明文はしっかりとやり込んでおく
  • 文字数がとても多いため、速読ができるようにしておく

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょう。

計算問題を解く力を身につける

最初に計算問題と小問集合が出ることはわかっています。他の生徒との差をつけないためには、ここで簡単な問題をきちんと解き込んでいく必要があります。

小問集合で点数を落とさないように

小問集合では、いかに失点しないで解ききるかが問われます。すべて各単元の基礎的な内容です。過去問をやってみて、基礎が疎かになっている単元を見つけたら、即復習しておきましょう

頻出単元を掘り下げよう

法政大学中学校における算数の頻出単元は量・平面図形・空間図形・場合の数などです。過去問をやればわかるように、出題傾向は明確であり、求められている力をきちんと身につけているかが問われます。標準的な内容が多く、単元別の出題では各大問の小問はふたつ程度と少ないです。そのため、大問で問われる内容も標準的なレベルが多く、小問の数をかさねて深掘りしていくタイプではありません。

法政大学中学校の算数対策
  • 標準レベルの小問で点を落とさないように復習を徹底する
  • 出題傾向が明確なので、過去問をしっかりとやり込む

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょう。

基礎固めを徹底して

問題のレベルはあくまで標準レベルであり、難問らしい難問は出ません。そのため、基礎固めを徹底することを意識して、テキストを読み込みましょう。大問は五つ程度で、三つの分野が振り分けられる構成です。どの分野にウエイトが置かれても対応できるよう、満遍なく勉強しておきたいところです。

テストや模試の結果、あるいは過去問を採点した結果を受けて、苦手単元のとりこぼしがないか早めに確認しておきましょう。問題自体が難しいわけではないので、どこの単元の勉強が足りていないかがわかれば対応できます

実験・観察の単元をやり込もう

多くの学校でそうであるように、法政大学中学校においても理科は実験・観察からの出題が多いです。実験・観察の単元をやり込むようにしましょう。実験・観察については一連の手順を説明できるようにしておいてください。「なぜその手順を踏む必要があるのか」「なぜその結果になるのか」を説明できるようにしておくとよいです。実験・観察では計算問題もよく出るため、解けるように仕上げておきます。

日常生活の中で「なぜ」を考えよう

当たり前のように受け入れている日々の出来事の中にも、理科的な発想につながる「なぜ」は潜んでいます。そのため、仕組みのわからないことがあったら「どうしてそうなるのか」について改めて考えてみましょう

わからなければ、塾や家庭教師の先生に質問してみてください。日常生活の中での理科に着目した問題も出題されます物事に疑問を持つ力が必要です。

法政大学中学校の理科対策
  • 難しい問題は少ないため、テキストを読み込んで基礎固めを徹底する
  • 日常の生活で「なぜ」と疑問を持ち、考える習慣を付ける

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

グラフや資料を読めるようにしておこう

地理はグラフや資料を用いた問題が多いです。そのため、資料から必要な情報を読み取って解くタイプの問題に慣れておきましょう。白地図をやり込んで、地図とデータを頭の中で結び付けられるようにしておくことも大切です。

ある時代に起きた出来事を

歴史はあるテーマにそって展開していく文章を読んで、関連する出来事や人名を答える問題が多いです。それぞれの時代でなにが起き、どんな人物が関わったのか説明できるようにしておきましょう。

ただ、用語をひとつポンと答えられるようにするのではなく、必ずその言葉にまつわる内容を説明できるようにしてください。記述問題が出るので、用語だけで暗記しても得点につながらないためです。

話題になっているトピックを押さえておきたい

公民からの出題は、話題になっている時事のトピックに基づいて展開するケースが多いです。そのため、常日頃からどういった問題に今注目が集まっているのか、アンテナを張っておきたいところです。もちろん、テキストに載っているような基礎知識もたくさん出題されます。

法政大学中学校の社会対策
  • 白地図を活用してグラフや資料から情報を読み取る力を養う
  • 時事問題に対応できるように、日頃からニュースを見るなどアンテナを張っておく

どの科目も標準レベルの問題が出題される

どの科目も標準レベルの問題が出題される

法政大学中学校ではどの科目も標準レベルの問題が出題されます。しかし、問題の難易度が高くないということは、それだけひとつの失点で差がついてしまうということを意味します。年度や回によって合格者平均点は違いますが、2024年度の第一回を例に挙げると、算数は130.9点です。150点満点なので、合格者はほとんど失点していないことがわかります。国語も合格者平均点が100点を下回ることはほぼありません。

標準的な問題のテストで高い点をとるためには、どれほど広い範囲であれ、とりこぼしなく解く力が求められます。これは意外と大変なことで、どうしてもそれぞれに苦手な単元はあるでしょう。満遍なく復習していかなければなりません。

国語は物語文・説明文を読めるようにし、漢字や語彙を身につけましょう。算数は頻出単元を中心に、問題を確実に解けるようにします。理科は基礎知識を固めた上で、実験・観察の単元が解けるようにやり込んでください。社会は資料から情報を読み取る力を身につけて臨みましょう。

とりこぼしなく各単元をやり込むために、間違えた問題を解き直したらテキストに日付を書き込み付箋を貼ることをおすすめします

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