• 2024年6月19日
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法政大学第二中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

法政大学第二中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

法政大学第二中学校は法政大学の付属校です。この記事は法政大学への進学を考えている家庭に向けて、国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも法政大学第二中学校ってどんな学校?

そもそも法政大学第二中学校ってどんな学校?

法政大学第二中学校はグローバル社会で活躍する人材育成のための英語教育に注力する学校で、2018年から完全共学へと移行しました。「自由と進歩」を学風とする法政大学の付属校らしく、以下をを教育目標として掲げています。

  • 人類および民族のあらゆる分野における歴史的・文化的遺産を体系的に学び取り、自然と社会・人間に対する認識を深める
  • 獲得した認識を総合し、自然との共生・諸民族の共同など、人類社会のもつ諸課題と向き合う視野を培う
  • 学ぶことの意味と喜びを知り、常に学問的好奇心を発揮し、生涯にわたって成長を遂げることができる土台を獲得する

週六日制で計34時間の充実したカリキュラムを採用していて、高校・大学へ高い学力をもって進学できるようにしています。法政大学第二中学校のカリキュラムは体験を通した学びに重きを置いている内容です。

英語・数学は週に2~3時間ずつクラス人数を半分に分けて少人数制分割授業を行っています。理科の実験授業ではチームティーチング(TT)を実施。生徒の理解を促しています。

語学教育においては、ニュージーランドへの語学研修をはじめ、さまざまな機会が設けられています。

なお法政大学への内部進学率はだいたい九割です。条件としては、日常の成績が一定基準に達していて、指定された英語の外部試験および「基礎的思考力確認テスト」で一定の成績を修めれば、いずれかの学部に内部推薦してもらえます。

法政大学第二中学校の入試概要

法政大学第二中学校の入試概要

法政大学第二中学校の入試について見ていきましょう。

2024年度の入試

法政大学第二中学校の入試は2024年度1月7日に帰国生入試を実施し、男子若干名女子若干名の募集でした。2月2日には、一般第一回を実施。こちらは男子70名女子70名の募集です。2月4日に実施された一般第二回では男子35名女子35名の募集。出願期間は帰国生入試が12月1日から12月18日、第一回が1月5日から1月28日、第二回が1月5日から2月3日でした。入学検定料は一回30,000円かかります。合格発表はいずれも試験当日の夜でした。

2024年度の入試倍率

2024年の入試倍率は以下のとおりです。小数点第二位以下四捨五入しています。

帰国生入試の倍率は受験者数が男子23名、女子23名で合格者数は男子14名、女子12名でした。男子の実質倍率は約1.6倍。女子の実質倍率は約1.9倍でした。第一回の受験者数は男子480名、女子309名で合格者数が男子106名、女子102名。実質倍率は男子約4.5倍、女子約3.0倍でした。第二回の受験者数は男子367名、女子236名で合格者数は男子53名、女子67名。実質倍率は男子約6.9倍、女子約3.5倍でした。

男子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回480人106人約4.5倍
第二回367人53人約6.9倍
帰国生入試23人14人約1.6倍

女子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回309人102人約3.0倍
第二回236人67人約3.5倍
帰国生入試23人12人約1.9倍

法政大学第二中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

法政大学第二中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

法政大学第二中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は速読必須

国語の試験時間は50分で配点は100点、大問は三つです。大問一は漢字の読み書き、語彙、文法などから出題され、大問二、三が読解の構成です。論説文より物語文のほうが字数は多めで、合計で一万字近くなることもあります。

基本的に出題形式は選択問題がメインですが、数問の書き抜き問題や記述問題も出題されています。記述問題は50字前後です。

算数は標準的な難易度

算数の試験時間は50分で配点は100点、大問は六つほどです。大問一が計算問題、大問二が小問集合で、大問三以降は分野別の出題となります。頻出単元は速さ・平面図形・立体図形・規則性のあたりです。問題は標準的で解きやすく、そのため合格者平均点が高く出る傾向にあります。

2024年度の第一回算数の合格者平均点は男子78.8点、女子73.0点で、第二回算数の合格者平均点は男子75.4点、女子72.5点です。つまり、合格者平均点が八割近いこともあるので、難易度が低い分確実に解けるようにしておく必要があります

理科は難しい計算問題も

理科の試験時間は40分で配点は75点です。大問は五つから六つほど出ます。すべての分野からの出題で、ひとつの大問の中にさまざまな難易度の問題が含まれていて、特に化学や物理の計算問題では苦労するかもしれません。どの分野から多めに出題されるかはわかりません。

社会は問題数が多い

社会の試験時間は40分で配点75点です。大問は四つほどです。問題数が五十問程度あります。問題文のボリュームがあるため、時間内に終わらせるのが大変かもしれません。

難易度は標準レベルからやや難しいものまで幅広いです。記号で適当な用語を当てはめていくような基本的な問題も出題されれば、知識と時事をリンクさせなければ解けないような問題も出題されます。

ポイント
  • 国語は物語文の文字数が非常に多く、算数は難易度が標準的なぶん合格平均点が高い
  • 理科では難しい計算問題が出題され、社会は問題数が非常に多く時間が足りなくなる

法政大学第二中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

法政大学第二中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

法政大学第二中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

国語は知識問題が多い

大問として独立していることからもわかるように、国語は知識問題が多いです。漢字の書き取りは日頃から丁寧さを心がけておきましょう。言葉の知識も文法の理解も必要なので、まとめ教材をやり込んで要点を押さえておくとよいです。

出されている問題自体はそんなに難しくはないので、まとめ教材に載っているものを覚えれば得点につながります。ただし、入試が近づいて一気に頭に入れても定着化はしないので、早めにコツコツとインプットしておきましょう。

速読の練習をしよう

とにかく字数が多いため、速読を身につけることが必須となります。そのためにはまず、文章の内容を読み飛ばさないようにするところから始めてください。速読は読み飛ばしとは違うので、内容をきちんと把握する力をつける必要があります。

読み飛ばしがちな子供は、音読をするとよいです。音読をしても読み飛ばしてしまうタイプは、読んでいる文章の横に下敷きや定規を当てて、どこを注目すればよいのかわかりやすくしてみましょう

音読に慣れたら黙読に移行します。一分間で五百字読めるところまでレベルアップしましょう。実際にタイマーをかけて読んでみます。五百字をマスターしたら、段階的に字数を増やして最終的には七百字を目指したいところです。あわてると無意識に文章を読み飛ばしてしまいがちなので、意識的に注意して取り組みましょう。

記述問題の練習をしよう

記述問題も出るため、法政大学第二中学校の字数に合わせて練習しておきたいところです。記述問題はだいたい60~80字なので、同じ程度の字数の問題を解いてみるとよいでしょう。なお、文章から抜き出して記述するタイプの問題も多く出ます。

法政大学第二中学校の国語対策
  • 知識問題が多いため、早い段階からまとめ教材を活用して知識を定着させる
  • 字数が多く時間配分が難しいため、速読の習得が必須となる

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

算数の合格者平均の高さを常に意識して

算数の入試は簡単であり、出題傾向もはっきりしているため、合格者平均点が高いです。したがって、捨てられる問題はほぼありません。すべて正解をたたき出すつもりで臨む必要があります。そのためにはまず、計算や小問集合で確実に点数を取らなければなりません。ケアレスミスをしないよう、スピーディーかつ慎重に解いてください

もし過去問をやってみてミスが頻発するようであれば、ミスの原因を分析する必要があります。計算ミスが多い子供はだいたい、計算メモが乱雑で読みづらいです。もしくはそもそも計算練習が足りていません。原因を特定して子供に合った対策を講じましょう

頻出単元がはっきりしている

法政大学第二中学校の算数は、出題傾向がはっきりしています。頻出単元は速さ・平面図形・立体図形・規則性のあたりです。そのため、過去問をやり込んで頻出単元と出題形式を把握するようにしてください。

平面図形の問題は比を使って解く問題がよく出題されます。立体図形は水を入れるタイプの問題が多いです。速さや規則性も基本的な問題なので、標準レベルの問題を解く力が固まっていれば、得点できます。ただし、どの単元も苦手な子供が一定数いる単元なので、点数がとれない単元があれば基礎をやり込むようにしましょう。

見直しに時間を回して

問題の難易度がそんなに高くないため、見直しに回す時間がある子供も多いです。効率的に見直すために、どの問題から見直すかを解きながら決めておくとよいでしょう

合格者平均点に達するために、ケアレスミスをひとつでも多く潰してください。

法政大学第二中学校の算数対策
  • 算数は比較的簡単でケアレスミスが不合格に繋がりやすいため、ミスの原因を分析する習慣を付ける
  • 頻出単元がはっきりしているため、過去問をやり込んで頻出単元と出題形式を把握しておく

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

理科は比較的難しい問題も混在

国語と算数はそんなに難しくない法政大学第二中学校ですが、理科はそれなりに歯ごたえがあります。特に計算問題にその傾向が顕著です。タイムロスしそうであれば、解ける問題から先に解いていくのもよいでしょう。

時事問題が頻出

時事問題は必ずといってよいほど出ます。そのため、理科に関するニュースはチェックしておいてください。たとえば過去には環境問題に関する設問がありました。SDGsの観点から国連総会で採択された文書について穴埋めで答えていく問題です。

知識を持っていなければ解けません。時事問題の問題集はもちろん、日頃からニュースにも関心を向けておくことをおすすめします

捨て問の判断は素早く

難しい問題で引っ掛かることがないよう、捨て問の判断が素早くできるようになってください。各大問に難問が入り交ざっているので、今の知識で解ける問題だけを解いていきます。

理科は問題の難しさに対して時間が足りていないので、過去問を通して制限時間内に終わらせる練習をしておきましょう

法政大学第二中学校の理科対策
  • 理科は比較的難しいため、捨て問の判断を素早く行うために過去問をやり込み、制限時間内に終わらせる練習をしておく
  • 日頃から理科に関するニュースに関心を向け、時事問題に対応できるようにする

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

地理は雨温図が頻出

地理は白地図を使って勉強しましょう。地図に絡めた出題が多くされています。地名と各地域の情報を結びつけられるようにしてください。

特に雨温図はよく出ています。また、地形図の問題も出るので理解できるようにしておきましょう。

歴史の流れを説明できるように

さまざまな時代から出題されるため、歴史に関しては網羅的に復習するしかありません。時代順の並べ替えの問題も出題されるので、用語だけを単発で覚えるのではなく、流れを意識して覚えていきましょう。

政治や社会について関心を

公民分野は時事問題と絡めた出題となっています。記述問題も出題されるため、ただ知識を頭に入れるのではなく、背景を説明できるようにしておきましょう。たとえば、過去には「国民の権利」について明治憲法と日本国憲法でどのような違いがあるか、「普通教育を受けさせる義務」を定めているのはなぜかといった設問がありました。

各分野から出題されるのでどの分野も疎かにしない

社会はどの分野も疎かにしない姿勢が大切です。特に地理は学ぶ順番が早いことが多いため、抜けやすい分野といえます。過去問に照らし合わせて必要な情報は改めて頭に入れておきましょう。

法政大学第二中学校の社会対策
  • 地理は雨温図の問題がよく出るため、白地図を使って地名と各地域の情報を結びつけられるようにしておく
  • 歴史は流れを意識して覚え、公民分野ではただ知識を頭に入れるのではなく、背景を説明できるようにしておく

科目によって難易度が違うので戦略的に臨もう

科目によって難易度が違うので戦略的に臨もう

法政大学第二中学校の入試の中で、一番合格者平均点が高いのは算数です。算数を解く際には、「一問たりとも落とさない」つもりで臨みましょう。実際、問題自体もそれほど難しいわけではありません。出題傾向も明確なため、対策はしやすいです。

国語は標準的なレベルの問題が多いですが、読解文では少し手ごたえのある問題も出ます。なにより文字数が多いため、速読し素早く解く力が求められます。読解だけではなく、言葉の知識も必要です。そのため、算数のように合格者平均点が高く出ることはありません。

社会も公民分野は時事と深く絡むため、日頃から関心を持っていないと難しく感じる可能性があります。記述で説明できなければなりませんから、断片的な知識だけあっても解けません。理科は計算問題のレベルがやや高めです。どんな問題が出ているか過去問を通して知った上で、数をこなしてパターンを押さえる必要があります

科目によって難易度が違うため、どの科目で他の受験生と点差をつけるかを戦略的に考えましょう。また、見直す順番どれを捨て問にしてよいかを見極める力も必要です。

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