• 2024年6月28日

明治大学付属明治中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

明治大学付属明治中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

明治大学付属明治中学校はその名のとおり、明治大学の付属校です。明治大学への進学を希望する家庭から人気を集めています。この記事では明治大学付属明治中学校を目指す家庭に向けて出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも明治大学付属明治中学校ってどんな学校?

そもそも明治大学付属明治中学校ってどんな学校?

明治大学付属明治中学校は110年以上の歴史を持つ伝統校であり、明治大学の直系付属校です。2008年に男子校から共学校へと変わり、「質実剛健」「独立自治」の校訓のもと次世代の人材を育成しています。

明治大学付属明治中学校を受験する家庭の多くが、明治大学への内部進学を希望していることでしょう。学内で成績が一定基準を超えていれば、明治中学校から明治高等学校へ進学でき、その後、明治大学へと全員が進学することができます

総合的な基礎学力や教養を身につけ、グローバル社会で活躍できる人間を育成するというのが明治大学付属明治中学校の方針です。そのために、明治大学付属明治中学校は三つのSを掲げています。

ひとつめは「STUDY」で学習環境の整備です。一クラスあたりの人数を減らし、授業内容に応じてさまざまな教室を用い、さまざまな人数での授業を展開しています

ふたつめは「SPACE」です。ゆとりある空間を確保することで、学習の場としてだけではなく生活の場としての機能性も確保しています。具体的には、1450名を収容できる講堂、336名を収容できる多目的教室、それから食堂、カフェテリア、広々とした中庭、和室などです。

みっつめは「SPORTS」。クラブ活動が盛んであり、スポーツ施設を確保しています。2023年度にリニューアルされた人工芝のグラウンドや、冷暖房完備の第一・第二体育館、独立した柔道場や剣道場、テニスコートなどが例として挙げられます。

明治大学付属明治中学校の入試概要

明治大学付属明治中学校の入試概要

明治大学付属明治中学校の入試について見ていきましょう。

2024年度の入試

2024年度の入試は第一回が2月2日、第二回が2月3日に行われました。第一回の募集人数は男子45人女子45人の計90人、第二回の募集人数は男子30人女子30人の計60人です。出願期間は第一回も第二回も1月10日から1月25日でした。入学検定料はどちらも3万円で、合格発表は当日です。

2024年度の入試倍率

2024年度の入試倍率は第一回の男子受験者数は280人、合格者数は114人、実質倍率は約2.46倍でした。女子受験者数は278人、合格者数は76人、実質倍率は約3.66倍でした。第二回の男子受験者数は170人、合格者数は44人、実質倍率は約3.86倍でした。女子受験者数は176人で合格者数は45人、実質倍率は約3.91倍です。

男子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回280人114人約2.46倍
第二回170人44人約3.86倍

女子の2024年度入試倍率

受験者数合格者数実質倍率
第一回278人76人約3.66倍
第二回176人45人約3.91倍

明治大学付属明治中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

明治大学付属明治中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

明治大学付属明治中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は読解力と表現力を問う問題

国語は制限時間50分で配点100点、大問は三つで、それぞれ読解文・総合知識問題・漢字からの出題です。読解文は説明文を中心に据えています。読解力が問われているのはもちろんですが、記述を通して表現力も確認する内容です

キーワードをとりこぼさないでまとめられるかどうかがチェックされます。字数制限のある問題では八割以上を書かなければなりません。採点の際には部分点がつきますが、要点をおさえていないものはその限りではありません。語句に関する知識問題も出題されます。

漢字は10問ほど出題されますが、画数を意識して書けているか、字のバランスがちゃんとしているかまでチェックされます。できていなければ不正解になるので、日頃から丁寧に書く練習をしていないと得点できません。

算数は小問の配点が高い

算数は制限時間50分で配点100点、大問は五つほどです。大問一は小問集合で計算一問を含む五つの小問が出題されます。ひとつの小問の配点が7~8点と高いため、「小問だから」といって気を抜くわけにはいきません。大問二から大問五までは解答欄に式や考え方を書き込むスペースがあります。式だけではなく図でも大丈夫です。

途中経過も採点対象なので、解き方があっていれば部分点がもらえます。頻出単元としてはニュートン算立体図形割合点の移動などが挙げられます。

理科は基礎知識と思考力の両方が問われる

理科は制限時間40分で配点75点、大問は七つほどです。生物・化学・物理・地学から出題され、各大問に問題が落とし込まれています

実験や観察を中心にした出題で、グラフから情報を読み取ったり、作図をしたり、計算で答えを導き出したり、説明記述をしたりと、バラエティに富んだ出題形式となります。大問数が多いため、必然的に扱う分野も広くなり、各分野からの網羅的な出題がされています。

社会は分野を横断する出題も

社会は制限時間が40分で配点が75点、大問は三つです。各分野がそれぞれの大問に落とし込まれていますが、中には分野を横断する出題もあります。歴史分野は長い時代をテーマに据えた問題がよく出ます。

基本的にどの分野も基礎知識を問う問題であり、難しそうに見えてもちゃんと読めば解ける内容です。思考力を問う問題も出ますが、資料や問題文に解くための情報が隠れているので、それらを見つけ出し正確に読み取れるかどうかが問われています。

ポイント
  • 国語は読解力、表現力が問われ、算数は大問1の小問集合の配点が高い
  • 理科は大問が多く各分野から網羅的に出題され、社会は基礎知識問題が多いが分野を横断しての出題もある

明治大学付属明治中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

明治大学付属明治中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

明治大学付属明治中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

記述のコツを身につけよう

読解文はそこまで長くなく、難しい文章も出ません。その代わり、記述は細かく採点されるので、点に結び付く解答をしたいものです。キーワードが拾えているかどうかはもちろん、常体と敬体が混ざっていないか、文末表現は適切かどうか、読点が多くないかといった細かな点が大切になります

字数制限のある問題をこなせるように

字数制限の問題では解答欄の八割以上答えを書くことが求められます。しかし、記述が苦手な子供は短くなってしまったり長すぎてしまったり、引き伸ばして内容を薄くしてしまったりという事態に陥りがちです。

説明文を解く際に、字数を決めて要約する練習をしましょう。繰り返して塾や家庭教師の先生にチェックしてもらっているうちに、要点をとりこぼさないためのコツが見えてきます。

漢字は丁寧に画数を意識して

漢字を書く際に書き順を無視して形だけ再現しようとする子供は珍しくありません。しかし、そうした子供は、とめなければならないところで続けて書いてしまうことがよくあります画数が変わってしまうような書き方です。

明治大学付属明治中学校の国語では、漢字を細かく見て採点しています。適当な書き方が身についてしまうと直すのは大変です。漢字を覚えるときから書き順どおりを意識するように気をつけましょう。

明治大学付属明治中学校の国語対策
  • 記述問題で多くの点を取れるよう、正しい記述方法を身につけておく
  • 字数制限の問題では、説明文を解く際に字数を決めて要約する練習をして、塾や家庭教師の先生に何度もチェックしてもらう
  • 常に「とめ」「はね」「はらい」を意識して漢字を書く習慣を付ける

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

基礎を固めて小問を確実に得点につなげる

算数は小問集合の配点が高めのため、確実に解いてください。問題自体は難しくありませんが、ケアレスミスは確実に防ぐようにしましょう。

算数は受験者平均点と合格者平均点の差が大きい

2024年度第一回の場合、受験者平均は57.73点、合格者平均は73.62点でした。同年第二回の場合は、受験者平均38.93点、合格者平均53.57点です。つまり15点前後の差がつく計算になります。

合格しようと思ったら算数で確実に点をとることが重要になります。そのためにはまず頻出単元をやり込んで確実に得点につなげましょう。

頻出単元はニュートン算、立体図形、割合、点の移動などです。立体図形は切断の問題がよく出ます。苦手な子供が多いので確実に解けるように問題集をやり込んでおいてください。立体は想像するのが得意な子供と苦手な子供に分かれます。苦手な子供はある程度問題数をこなして、パターンを覚えていくことをおすすめします

解答欄に式や考え方を書くために

解答欄の式や考え方を書くスペースが狭いため、読みやすく小さな字ですっきりまとめる必要があります。小学生の場合、こうした作業を苦手とするタイプは多いです。慣れておかないと当日、要領をつかむまでに時間切れになってしまいかねないので、本番と同じ形式で練習しておきましょう。

難易度としては標準レベル

明治大学付属明治中学校の算数では奇をてらったような問題は出ません。標準レベルの問題が多く、中学受験対策の問題集で勉強すれば解けるレベルです。ただし、少しひねって出題するケースもあるので、ある程度難しくても解ける程度の力は必要となります。問題集で間違えた問題は確実にやり直しておいてください

明治大学付属明治中学校の算数対策
  • 算数で合否が分かれやすいため、頻出単元をしっかりと対策する
  • 小さいスペースに式、考え方を書けるように日頃から心掛ける
  • 問題集で間違えたところは何度もやり直して確実に身につける

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょう。

実験・観察の単元からの出題が多い

実験・観察の問題がよく出ます。つまり結果をまとめた資料やグラフ、図表からヒントを読み取って解く類の問題が多いということです。解き方に慣れておきましょう。

計算問題に慣れておこう

力のつり合いや電流、浮力などをはじめ計算問題が出やすい単元は、スラスラ解けるまでやり込んでください。このあたりの単元は理解したつもりになって解けない子供がたくさんいます。数をこなしてみて、間違えた問題は徹底的にやり直しましょう。

明治大学付属明治中学校の理科では計算問題の出題率が高めです。計算の仕方がわかっていないと大幅な減点につながります。

語句は正確に書けるように

当てはまる言葉を書く問題があります。語句を書く際は漢字のものは漢字で覚えて正確に書けるようにしておきましょう

明治大学付属明治中学校の理科対策
  • 実験、観察の問題がよく出るため、問題集などで図表から読み解く問題に慣れておく
  • 力のつり合いや電流、浮力などの計算問題はスラスラ解けるようになるまで数をこなす

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょう

基礎知識を問う問題では失点しない

社会は基礎知識を問う問題がたくさん出ます。全分野から出題されるので、中学受験の問題集で間違えたところは周回してミスを潰していきましょう

社会問題や日々のニュースに関心をもって

時事に関連した問題も出題されるため、日頃から社会問題やニュースに関心を持っているかが問われます。テレビやラジオであれば専門家が出ている番組を選んで視聴しましょう

専門外のコメンテーターを招いている番組は、あまり信頼が置けないので、正確な情報を入れるようにしてください。新聞を読む習慣をつけるのもよいです。

思考力や問題解決力を問う問題に対応する力を

一見難しいかもしれませんが、明治大学付属明治中学校では思考力問題解決力を問うタイプの問題も出題されます。問題文や資料、地図などからヒントを読み取って手掛かりにして解きます。慣れていないと「解けない」と思い込んでしまうでしょうから、過去問でどんな問題が出ているかやり込んでおいてください

語句の漢字を書けるように

社会でも漢字表記のものは漢字で書くのが大前提です。漢字の書き間違えで失点することがないよう、繰り返しやって覚えておいてください。

明治大学付属明治中学校の社会対策
  • 時事問題の出題があるため、日頃から正確な情報をテレビやラジオで入手する
  • 思考力や問題解決能力を問う問題に対応するために、過去問をやり込み問題に慣れておく

標準レベルが大半。思考力を問う問題も

標準レベルが大半。思考力を問う問題も

明治大学付属明治中学校で出題される問題は標準レベルが大半であり、奇をてらったような難問は出題されません。そのため、受験問題集を頻出単元から順番に隅々までやり込むのが一番の対策です。過去問も解いて出題傾向を把握しておきましょう。

国語は説明文を中心に読解文が出題されます。読みづらい文章の物はあまり出ません。字数的にもそんなに長くないです。読解自体のハードルは高くないですが、記述力は問われます。字数制限のある問題で要点をまとめる練習をしましょう。

算数は小問から配点が高いので、ケアレスミスをしないようにしましょう。大問は式と考え方を書かなければなりません。スペースがそんなに広いわけではないので、練習して慣れておきましょう。

理科は実験観察からの出題が多く、計算問題が占める割合も高いです。計算問題は一問一問スピーディーかつ確実に解けるようにしておきましょう。

社会は基礎を固めた上で社会問題や日々のニュースにも注目するようにしてください。また、思考力や問題解決力を問う問題も出題されます。一見、「解けなさそうな問題」だと思っても諦めず挑戦してみましょう。

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