三輪田学園中学校は「徳才兼備」の女性の育成を目指す学校です。法政大学に隣接する学校で、法政大学との連携講座の開設といった取り組みが注目を集めています。この記事では三輪田学園中学校を目指す家庭に向けて、各科目の勉強法を紹介します。
そもそも三輪田学園中学校ってどんな学校?
三輪田学園中学校は法政大学に隣接する学校で、豊かな人間性と高い学力を併せ持った女性の育成を目指しています。豊かな人間性を身につけ、学を深めることで、世界で活躍する女性を生み出そうとしているのです。2021年からは「哲学・探究する女性」、「挑戦・行動する女性」の育成にも力を入れています。
三輪田学園中学校の教育の特徴として、英語力、発信力、協働性を重視している点が挙げられます。国際理解を目指し、語学研修・留学プログラムに注力していて、法政大学や秋田国際教養大学との高大連携を行っています。他校や地域との交流に重きを置いている学校です。
他にもICT教育に力を入れていたり、テスト解説や指名補習・再試などで生徒をフォローしたりしています。自主学習の環境も整っていて、中一・中二は17:30まで、中三以上は19:00まで残って自習することが可能です。
施設面も整っていて、25mが6コースある温水プールに、365日入れる環境です。床暖房が備え付けられていて、塩素の少ない浄化設備が整っています。また、バスケットコート四面分の体育館とテニスコート四面分の校庭があります。
三輪田学園中学校の入試概要
三輪田学園中学校の入試について見ていきましょう。
2023年度の入試
2023年度の入試結果は以下のとおりです。倍率は小数点以下第二位を四捨五入しています。
入試名称 | 回 | 午前/午後 | 科目数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般 | 第一回 | 午前 | 二科 | 43 | 13 | 3.3 |
午前 | 四科 | 188 | 80 | 2.4 | ||
午後 | 四科 | 389 | 195 | 2.0 | ||
一般 (英検利用) | 午前 | 英検級+二科 | 31 | 27 | 1.1 | |
一般 | 第二回 | 午前 | 二科 | 53 | 13 | 4.1 |
午前 | 四科 | 222 | 70 | 3.2 | ||
一般 (英検利用) | 午前 | 英検級+二科 | 31 | 23 | 1.3 | |
一般 | 第三回 | 二科 | 50 | 9 | 5.6 | |
四科 | 243 | 52 | 4.7 |
2024年度の入試
三輪田学園中学校の2024年度の募集要項は以下のとおりです。
回 | 第一回 | 第二回 | 第三回 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
日程 | 2月1日 | 2月2日 | 2月3日 | |||
午前/午後 | 午前 | 午前 | 午後 | 午前 | 午前 | 午前 |
科目 | 二科/四科 | 英検級+二科 | 二科 | 二科/四科 | 英検級+二科 | 二科/四科 |
募集人数 | 60 | 10 | 25 | 40 | 10 | 25 |
応募資格 | 2024年3月小学校卒業見込みの女子 (第1回・第2回午前英検利用は英検4級かつCSEスコア1,000点以上取得者) | |||||
出願期間 | 1/10(水)~1/31(水)15:00 | 1/10(水)~2/1(木)23:59 | 1/10(水)~2/2(金)23:59 | |||
合格発表 | 2/1(木)18:30 | 2/1(木)22:40 | 2/2(金)18:30 | 2/3(土)18:30 | ||
手続き締切 | 2/6(火)10:00 |
なお、帰国生入試は以下のとおりです。
入試日 | 11月18日 |
---|---|
募集人数 | 若干名 |
応募資格 | 2011年4月2日~2012年4月1日生まれの女子 父母の転勤・転住等に伴い1年以上海外に在住した方で、帰国後3年以内の方 (小学校3年生の11月以降に帰国) 入学後、父母のいずれかが保護者として常時国内に居住できる方 B方式は2020年第1回以降に取得した英検3級(その他の検定試験の場合は、CEFR A1)以上の保持者 |
考査方法 | A:国語(作文)・算数・保護者同伴面接 B:算数・保護者同伴面接(英検級等による※英語のみなし点との合計で判定) ※点数は以下のとおり 英検3級(CEFR A1レベル):80点 英検準2級(CEFR A2レベル):90点 英検2級(CEFR B1レベル)以上:100点 |
出願期間 | 2023年11月1日(水)9:00~11月17日(金)15:00 |
合格発表 | 2023年11月18日(土)18:00 |
手続き締め切り | 2024年2月6日(火)10:00 |
帰国生入試は三輪田学園中学校HPの「帰国生入試ページ」で問題のサンプルも公開されているので、一度確認をしてみてください。
三輪田学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向
三輪田学園中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。
国語の大問は二つだけ
配点は100点で制限時間は45分。三輪田学園中学校の国語の大問は二つだけです。大問一が漢字、大問二が読解という構成になっています。漢字は大問一のみならず、大問二にも組み込まれます。読解文のジャンルは小説、論説文、説明文、随筆など年度によってバラバラです。大問二では知識問題も問われます。読解文はひとつきりなので、その分抜粋される文章量が多いです。しっかりと読み込む姿勢が必要となります。
算数は平易な問題が多い
配点は国語と同様100点で、制限時間は45分。大問は五つで、大問一は計算、大問二は小問集合です。小問集合は特殊算が多い内容となっています。頻出単元は平面図形、表とグラフ、和差算、点の移動などです。大問三以降はひとつの大問につき三、四問出題されています。算数は平易な問題が多く解きやすいです。
理科は実験や観察が多い
配点は50点で制限時間は25分。大問は五つで実験や観察の問題が多く出題されています。用語を問う問題はあまり多くなく、選択問題や計算問題がメインです。25分に対して大問五つなので、大問一つを五分で解かなければならない計算になります。グラフや表が用いられている問題も少なくありません。各分野から満遍なく出題されています。
社会は各分野から出題
配点は50点で制限時間は25分。大問は三つです。地理、歴史、公民から出題され、公民は時事問題を含みます。会話文形式で出題される問題が多く、問題文の量は全体的に多めです。選択問題中心で、用語を問う問題や要点を押さえた説明を書かせる問題なども出ます。
時事問題では、2022年度には直近の選挙結果についての問題も出題されました。日頃から自分たちの生きる社会へアンテナを張っておきましょう。
- 全体的に決して難しい問題ではない
- 解き進めるスピードと正確性が重要になる
三輪田学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?
三輪田学園中学校に合格するためにはどういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。
国語の勉強法
国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。
漢字を正しく書けるように
三輪田学園中学校では毎年漢字の読み書きが出題されています。「とめ」「はね」「はらい」をきちんと書けるようにしておきましょう。受験本番で、悪筆で減点されては大変です。しかし、「とめ」「はね」「はらい」をきちんと意識的に書けない子供は多くいます。「字をきれいに書くこと」は当たり前のように求められますが、実際にはかなり向き不向きのあるスキルです。
そのため、わが子が字を書くのを苦手とするのであれば、早いうちからサポートしてあげることをおすすめします。きれいな字ではなくても、採点時に評価される丁寧な字が書けるようになれば大丈夫です。
苦手なジャンルの文章を克服しよう
読解文のジャンルについて、なにが出題されるのかは年度によって違います。さまざまなジャンルの文章に慣れておく必要があります。自分がどのジャンルの問題で失点しやすいのかをまず分析してください。たとえば、論説文で失点しやすいとわかったら、集中的に論説文をやり込みましょう。
その際、数だけこなしてもなかなか効果は得られません。解き終えた問題を採点したら、自身の間違え方を分析します。論説文の趣旨はちゃんと理解できているか、選択問題で点がとれているか、記述では減点されていないか、論説文ならではの難しい語彙を理解できているか、など細かく見ていきます。その上で、点がとれない原因を特定しましょう。
長い文章を読みこなせるように
長い文章を読み込むのは大変な作業です。しかし、入試では時間制限もありますから、素早く読めるようにしておく必要があります。重要だと感じた箇所には必ず傍線を引くようにしてください。読み直している時間はあまりとれません。一回で頭に入れるつもりで臨みます。
- 漢字は「丁寧な字」で書けるようにする
- 早い段階で苦手なジャンルを洗い出す
- 長い文章の読み方を工夫して癖付ける
算数の勉強法
算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。
頻出単元を中心に対策しよう
頻出単元はグラフや表を読み解く問題や平面図形、速さなどです。過去問を振り返ると非常に出題傾向がわかりやすく、はっきりしています。そのため、一番にやるべきは過去問です。過去問を通して出題傾向を把握したら、問題集の該当単元を解きましょう。間違えた問題は何度でもやり直すようにし、別の問題集の類題にも挑んでください。
難易度は決して難しくない
問題の難易度は決して高くありません。各単元の代表的な問題を押さえていれば、だいたい解ける程度のレベルです。点数がとりやすい問題なので、いかにミスをせずに着実に解き進めるかが問われます。
- とにかくまずは過去問を解いてみる
- 難易度が高くない分、ミスをしない様に心掛ける
理科の勉強法
理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。
頻出単元の対策を
理科は生物・化学・地学・物理の全分野から出題されます。年度によってどこを出題するかは違いますが、頻出単元として水溶液や太陽や月の動きが挙げられます。どちらも計算が必要な問題が多く、子供がつまずきやすい単元です。早めに対策しておきましょう。
理科は実験・観察を一通り説明できるように
理科は実験や観察の問題がよく出ます。必要な器具の名前や実験・観察の進め方、実験・観察の結果をひと通り説明できるようにしておきましょう。特に水溶液は頻出単元ですので、しっかりやり込んでおいてください。
ハイスピードで解く。過去問でのイメトレ必須
理科は制限時間が少ないのに問題数が多く、最後まで解こうと思うと大変です。しかも、問題文も長めのものが多く、なかなか消化できないでしょう。本番で時間配分を間違えて大きく失点しては大変です。過去問をやり込んでイメージトレーニングしてください。
- 「水溶液」「太陽や月の動き」は必ずやり込んでおく
- 試験時間が短いので過去問を通して時間配分を身につけておく
社会の勉強法
社会はどう取り組めばよいのでしょうか。
社会はまとめ教材をやり込んでおこう
社会の全体的な難易度は決して高くありません。用語を書かせる問題や、選択問題、出来事を年代順に並べ替える問題などが出題されます。
まとめ教材や要点をまとめたページをまずはやり直してみて、基礎知識が定着化しているかどうかの確認をしてください。知識が抜けている箇所はすぐに覚え直しましょう。基礎が完全にとりこぼしなく覚えられるまでミスを潰していきます。
記述問題は意外と難しい
平易な問題が多い中で、唯一難しいのが記述問題です。自分の頭で考えさせる問題も出るので、テキストを丸暗記していれば対応できるわけではありません。
記述問題の数はこれまで二、三問の年度が多かったですが、2023年度は少し増えました。今後ますます増えてくる可能性もあります。記述対策をしておきましょう。書いた答えは塾や家庭教師の先生に必ず添削してもらってください。どういう解答であればマルをもらえるのかを把握しておきましょう。
日本の地理を頭に入れよう
日本地図の知識をギリギリになって入れ直す子供もいますが、早いうちに覚えきるようにしてください。日本地図の知識が頭に入っていると、歴史を学ぶ際にも効果的です。その出来事がどこでどのように起こったのかを常に意識できるようになります。
都道府県や県庁所在地はもちろんですが、気温や降水量、特産品や農業、工業といったところまで広く学び直すのが大切です。
- 「まとめ教材」など、要点がまとめられた教材をまずはやる
- 記述問題は必ず先生に添削を入れてもらう
問題は難しくないので、速さと正確さを
三輪田学園中学校の入試問題は決して難しくないです。ただし、速さと正確さが求められます。日頃から、自信のない問題や間違えてしまった問題には、必ず印をつけておくようにしてください。解けなかった問題の復習にどれだけ時間を割けるかが問われます。
科目によっては頻出単元が明確です。中でも算数はどの単元で生徒の実力を図りたいかがはっきりとしています。繰り返し出題されているのはグラフや表を読み解く問題や平面図形、速さなどの単元です。各単元における代表的な問題が多いので、問題集を復習しておきましょう。
国語は出題される文章自体が難解なわけではないですが、ボリュームがあるのでいちいち読み返さなくて済むよう、必ず気になる箇所に線を引いてください。算数は比較的解きやすい問題です。理科は制限時間が短いため、点差が開きやすい科目だといえます。社会は記述問題でつまずく可能性があります。最後まで解けるよう、過去問をやり込んでイメージトレーニングしておくことをおすすめします。