• 2024年2月22日
  • 2024年5月24日

成城学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

成城学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

成城学園中学校は、穏やかな校風や独自の行事などで人気を集める学校です。この記事では、成城学園中学校の入試における出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも成城学園中学校ってどんな学校?

そもそも成城学園中学校ってどんな学校?

成城学園中学校は「自学自習」と「自治自律」を重んじる学校です。競争社会の中で生きていけるよう「確かな学力」と「幅広い教養」の定着化を目標に掲げています。

発信する力を育む学習環境を整えていて、図書館やメディアセンターといった知の拠点が設けられています。PCやタブレットを活用したアクティブラーニングにも注力していて、ICTを活用した英語授業を推進。高い英語力の定着化を目指しています。論理的思考力を強化するための理系教育にも熱心です。

一年生の「海の学校」、二年生の「山の学校」といった特徴的な大きな行事もよく知られています。「海の学校」では水泳訓練と命の教育、「山の学校」では槍ヶ岳への縦走、白馬岳・唐松岳への登山が行われます。

三年生の選択授業のラインナップが豊富なことも、成城学園中学校の魅力です。講座内容はさまざまで、音楽では、独唱と重唱・金管アンサンブル・合唱・ヴァイオリン・ギター・ミュージックベル。美術では日本画入門・油絵入門・木彫・土と造形・金属工芸・アートクロスオーバー。書道では書道・ペン習字。技術家庭では木工作・ワープロ&表計算・ぬいぐるみづくり・編み物・製菓実習が用意されています。

成城学園中学校の入試概要

成城学園中学校の入試概要

成城学園中学校の入試について見ていきましょう。

2023年度の入試倍率

成城学園中学校の2023年度入試は一般の第一回を男子215人、女子240人が受けました。合格したのは男子66人、女子53人です。倍率は男子約3.3倍、女子約4.5倍でした。一般の第二回は男子208人、女子260人が受験し、合格したのは男子41人、女子37人です。倍率は男子約5倍、女子約7倍でした。帰国生は男子14人、女子15人、合格したのは男子8人、女子11人で倍率は男子約1.8倍、女子約1.4倍です。

2023年度の入試倍率一覧

男子女子
第一回入試約3.3倍約4.5倍
第二回入試約5倍約7倍
帰国生入試約1.8倍約1.4倍

2024年度の入試

2024年度の第一回入試は、試験日が2024年2月1日(木)でした。国語・算数・社会・理科の四科目で面接はなし。出願期間はインターネットから2024年1月10日(水)~26日(金)午後1時まででした。書類締切は2024年1月27日(土)午後4時必着(郵送・窓口)。募集人員は男女約70名で、合格発表はインターネット上で2024年2月1日(木)午後8時30分に行われました。

第二回入試は2024年2月3日(土)で科目や出願期間、書類締め切りは第一回と同じでした。そちらの一般願書受付とは別に、直前願書受付もあり、そちらは2024年2月1日(木)午後5時~2日(金)午後3時で、書類締切は2024年2月2日(金)午後4時まで(窓口のみ)となっていました。募集人員は男女約50名で合格発表はインターネット上で2024年2月3日(土)午後8時30分に行われました。

海外帰国生入試は2023年12月20日(水)で科目や出願期間はインターネットから2023年11月28日(火)~12月12日(火)午後1時まででした。願書とは別に提出書類があり、そちらは2023年12月13日(水)が締切となっていました。募集人員は男女約10名で合格発表はインターネット上で試験当日の2023年12月20日(水)午後6時30分にWEB上にて行われました。

成城学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

成城学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

成城学園中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は難易度が低い

国語は制限時間が50分で配点は100点です。大問一が漢字、大問二が説明文、大問三が物語文の構成になっています。大問一は漢字の書き取りですが、難解なものは出ません。大問二の説明文も読みやすい題材で、文章量も多くはないです。大問三は物語文で、こちらも読みやすい内容です。

成城学園中学校の問題は選択問題記述問題が多く、記述は穴埋めや抜き出しなのであまり難易度は高くありません。総合知識問題では語彙力を問われます。

算数は計算や小問集合の占める割合が大きい

算数は制限時間が50分で配点は100点です。大問は六問程度で、大問一が計算、大問二が小問集合、大問三以降は単元別の出題となっています。

計算や小問集合の数が多いので、そこで確実に点をとることが求められるテストです。頻出単元は平面図形、数の性質、速度、場合の数、特殊算などが出題されます。過去問を遡っていくと、頻出単元が割とはっきりしているので、対策は立てやすいでしょう。

理科は一問一分以内に解く

理科は制限時間が25分で配点は50点です。大問は八つほどで小問は25問程度の構成となっています。25問ということは単純計算で一問一分ほどです。素早く解く必要があります。

ただし、問題文はシンプルですし、問題の難易度も標準的なレベルです。記述問題もありますが、記号問題や選択問題がメインで、設問の内容も王道なので、中学受験対策ができていれば安心して解くことができるでしょう。

社会は大問二つのシンプルな構成

社会は制限時間が25分で配点は50点です。大問は二つという少ない構成になっています。つまり大問は分野ごとに分けられているのではなく、総合的な出題となっているため、注意が必要です。どの分野からどれぐらい出題されるかの比率は年度によって異なるため、対策が難しいです。

正誤を問う選択問題や語句を問う問題がメインで、問われる内容は基本的な事項が多いです。地理分野ではグラフや図表を用いた出題が多くあります。時事問題も出ます。

ポイント
  • 国語は難解は出ないが語彙力が必要になり、算数はスピードが必要だが頻出単元がはっきりしているので対策が立てやすい
  • 理科はスピーディーに解き進める必要があり、社会は選択問題がメインで基本的な問題が多い

成城学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

成城学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

成城学園中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

漢字の書き取りで減点されないように

成城学園中学校の国語では、漢字の書き取りが出題されます。中学受験塾に通っている子供、あるいは家庭教師の中学受験コースを受けている子供なら、毎週漢字テストを受けているケースも多いでしょう。しかし、せっかく漢字テストを受けても、解きっぱなしにしていては意味がありません。間違えた問題をやり直すサイクルを確立していないと、頭に入らないままです。漢字テストで間違えた問題はその日のうちに覚え直しましょう。

個別指導や家庭教師にお願いしている場合は、次の漢字テストで間違えた分も合わせて出題してもらいましょう。集団授業塾の場合は、自分でやり直していくしかありません。漢字の小テストだけでファイリングして、いつやり直しをしたか、解けたか解けなかったかを書き込んでいくとよいです。とにかく、書けない漢字をそのままにしないようにしましょう。

抜き出しや穴埋めの問題をたくさん解こう

国語では記述問題が多く出ますが、説明記述のような問題はほぼ出ません。抜き出しや穴埋めの問題が多いです。そのため、問題の意図を汲み、該当の箇所を探して、解答欄に落とし込む力を身につける必要があります。

ミスを減らすことで点差をつける

問題ひとつひとつの難易度が高いわけではないので、ミスをどれだけ減らすかが問われます。過去問を解いて自分の失点しやすい問題把握してください。総合知識問題であれば、すぐに不足している知識を身につけていかなければなりません。

成城学園中学校の国語対策
  • 間違えた問題は放置せずに何度も解き直す
  • 過去問で自分の失点しやすい問題を把握する

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

計算問題が多い。計算力をつけよう

計算問題の占める割合が多めなので、計算力をつけておいてください。カッコを使った計算や分数の計算などが出ます。難しいものは出ませんが、落ち着いて解かないとケアレスミスをしやすいタイプの問題です。注意して解きましょう。

小問集合だけで十問程度の出題

大問二の小問集合だけで十問程度出題されます。各単元の基本レベルの問題です。ここで落としていると合格点は難しいので、全問正解するつもりで問題集の基礎をとりこぼしなく仕上げてください。間違えた問題は周回してやり直していきます。そのために必要なのは、自力で解ける問題はどれか、解けない問題はどれかを把握できるようにしておくことです。問題集に解き直した日付やできたかどうかを書き込んでおきましょう。

一度解けるようになった問題も、見直していて自信がないと感じたら、やり直すようにしてください。

問題数の多さにどう対応するか

出題されている問題自体は標準レベルの問題ばかりなので、基礎が固まっていれば合格点を狙えます。しかし、問題数が多いため、スピーディーに解き進める能力が必要です。まずは過去問を決められた時間内にどの程度解けるか試してみてください。スピードを上げるための近道は、頻出単元から苦戦しない状態に仕上げることです。頻出単元は平面図形、数の性質、速度、場合の数、特殊算などなので、そこから固めていきましょう。

成城学園中学校の算数対策
  • 自力で解ける問題と解けない問題を把握して、間違えた問題は周回して繰り返し解く
  • 落ち着いてスピーディーに解けるように過去問を解き、頻出単元から苦戦しない状態に仕上げる

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

頻出単元を勉強しよう

理科の頻出単元は植物・昆虫・人体・力のつり合い・電気・燃焼・水溶液・天体などです。特に植物はよく出る単元なので、集中的に対策しておきましょう。難易度はあくまで標準レベルです。写真やグラフを用いた問題が多いので、中学受験のテキストに掲載されている写真・グラフをよく見ておきましょう。

説明記述が二問程度出題

例年、説明記述の問題が二問程度出題されています。二行程度にまとめるよう求められるので、要点を解答欄にまとめる練習をしておきましょう。文章の体裁を整えるほうに気をとられて要点をとりこぼしてしまう子供もいます。先にキーワードを思い浮かべてから書き始めるようにしましょう。

実験の問題が多い

実験の問題が多く出題されるため、実験の結果に至る理屈を理解しておかなければなりません。テキストの解説ページを読み込んで、実験の手順を段階ごとに分けて番号を振ってみてください。順序立てて覚えておくとよいでしょう。

成城学園中学校の理科対策
  • 中学受験のテキストに掲載されている写真・グラフをよく見て、植物の単元は集中的に対策しておく
  • 実験の結果に至る理屈を理解するために、テキストの回答ページを読み込む

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

地理は地形図やグラフを用いた出題が多い

地理は、地形図やグラフを用いた問題がよく出ます。そのため地形図の読み方各地域のグラフを覚えておかなければなりません。気候や人工や工業出荷物・農業出荷物などを頭に入れておきましょう。

図表から情報を読み解く問題も出題

図表を見て正しい情報を答えるタイプの問題も出題されます。どちらかといえば、算数寄りの問題ですが、焦らず情報を整理して答えを導き出しましょう。

時事問題も出題

大問のテーマに絡めて時事問題も出題されます。昨今話題になっている用語や作品、社会問題、政治の動きを幅広く押さえておきたいところです。日頃から世の中の動きに関心を持ちましょう。その上で、時事問題のテキストをきっちり読み込んでおいてください。時事関連の用語を答えさせる問題も出るので、書けるようにしておきましょう。

海外との関わりも

輸出入をはじめ、日本と海外との関わりについて掘り下げた問題が出題される傾向にあります。国内の出来事だけを追いかけるのではなく、他国とのつながりもあわせて頭に入れていきましょう。大問が二つしかないので、分野を超えて出題されます。分野ごと、単元ごと、国ごと、地域ごと、とバラバラな覚え方をしていると、解きづらいです。できるだけ関連付けながら覚える癖をつけましょう。

成城学園中学校の社会対策
  • 地形図の読み方や各地域のグラフを覚え、焦らず情報を整理して答えを導けるようにする
  • 時事問題対策として日頃から世の中の動きに関心を持つ

成城学園中学校の入試はミスをいかに防ぐかが問われる

成城学園中学校の入試はミスをいかに防ぐかが問われる

成城学園中学校の入試は決して難しくありません。皆がある程度解ける標準的な問題が出ます。逆に言えばひとつのミスが合否を分けるということです。過去問に取り組み、出題傾向を把握し、時間配分のイメージトレーニングをしましょう。その上で、各科目を掘り下げて勉強していきます。

国語は漢字の書き取りで確実に点がとれるようにしましょう。記述は抜き出しや穴埋めが多いので、そうした出題形式に対応できるよう問題を解いておきましょう。過去問を通して自分の失点しやすい問題はどういう問題か、早めに把握しておいてください。算数は計算問題や小問集合の占める割合が大きいので、そこでは失点しないよう準備しておきます。日々の計算練習や、基本問題の周回で失点を回避しましょう。

理科は頻出単元を勉強しましょう。実験からの出題も多いのでテキストの解説ページを見て、ひと通り手順を説明できるようにしてください。社会は地理・歴史・公民・時事をそれぞれ関連づけながら覚えていきましょう。たとえば、歴史の人物がいた地名を覚えたら、その地にまつわる地理的要素も合わせて確認し、時事で関連するトピックがあれば押さえておきます。

各科目ともミスをする要素をひとつでも減らして臨みましょう。

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