• 2024年12月31日
  • 2025年1月6日

横浜雙葉中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

横浜雙葉中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

横浜雙葉中学校はカトリック精神を土台に、子供たちの健全な発展を理念としている学校です。この記事では、横浜雙葉中学校を目指している家庭に向けて、出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも横浜雙葉中学校ってどんな学校?

そもそも横浜雙葉中学校ってどんな学校?

横浜雙葉中学校設立の歴史は、遡ること17世紀フランスでニコラ・パレ神父がうち捨てられた子供たちの尊厳を回復するための教育活動を開始したことに始まります。「幼きイエスの会」を設立し、貧しく幼い子どもをイエスのように受け入れました。その「幼きイエスの会」の修道女であるマザー・マチルドが開設した学校が現在の横浜雙葉中学校へとつながっているのです。

横浜雙葉中学校の校訓は「徳においては純真に。義務においては堅実に」で、教育活動として「教科の教育」「地球市民教育(グローバル・シティズンシップ教育)」「情報教育(デジタル・シティズンシップ教育)」「豊かな体験とキャリア教育」「ともによりよく生きる(Well Being)」の五つを掲げています。

また、中高一貫の六年間を二年ずつ区切って、教育のアプローチを変えています。中学一年生、中学二年生は豊かな土壌を育てる時期中学三年生、高校一年生は可能性の芽を育む時期高校二年生、高校三年生は確かな個性を結実させる時期と位置づけています。

国際交流も盛んで、具体的な取り組みとして挙げられるのは、海外姉妹校との交流、シンガポール・マレーシア姉妹校交流ツアー、サン・モール・インターナショナルスクールとの交流、米国研修(スミスカレッジ)、留学生の受け入れ、カンボジアスタディツアー、オーストラリア特別研修などです。

中学から高校へは原則として希望者は全員進学できる仕組みをとっています。なお、高校から大学への2024年度の進学実績は現役既卒合わせて国立大学合格者が21名、公立が3名、国公立の医学部が3名、私立の医学部が22名でした。

横浜雙葉中学校の入試概要

横浜雙葉中学校の入試概要

横浜雙葉中学校の入試について見ていきましょう。

2025年度の入試

募集は1期と2期の二回に分かれます。募集人数は1期が2025年2月1日土曜日で60名、2期が2025年2月2日日曜日で30名です。出願期間はどちらも2025年1月6日月曜日9時から1月30日木曜日23時59分まで。各回25,000円です。帰国生入試は12月7日土曜日で若干名の募集、出願期間は2024年度11月15日金曜日9時から12月1日23時59分までとなっています。

入試区分日程募集人数出願期間
1期2025年2月1日(土)60名2025年1月6日(月)9時

1月30日(木)23時59分
2期2025年2月2日(日)30名

2024年度の入試倍率

1期が受験者数178名で合格者数75名、実質倍率は約2.4倍でした。2期が受験者数179名で合格者数72名、実質倍率は約2.5倍。帰国生入試は受験者数23名、合格者数15名で実質倍率は約1.5倍でした。なお、実質倍率は小数点第二位以下を四捨五入しています。合格者最低点は1期が242点、2期が269点でした。合格者平均点を見ると、2期は全科目やや高めに出ています。

入試区分受験者数合格者数実質倍率
男子52名28名約1.9倍
女子201名34名約5.9倍
帰国生男子3名2名約1.5倍
帰国生女子6名6名約1.0倍

横浜雙葉中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

横浜雙葉中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

横浜雙葉中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は知識問題の多さが特徴的

国語は制限時間50分、配点100点、大問は三つです。大問一で漢字の書き取り、短めの文章を通して解く総合知識問題が出題されています。読解文は、2024年度は大問二で小説、大問三で随筆という構成でした。この三つの大問の内訳は、1期2期共通です。知識問題が多いのが特徴といえます。

算数は考え方や解き方を書く問題も

算数は制限時間50分、配点100点、大問は三つです。大問一では計算と小問集合、大問二、三では単元別の出題でした。例年、大問二、三の一部には考え方や解き方を問う問題が出題されています。書けるようにしておきましょう。頻出単元は図形、点の移動、数の性質、グラフなどです。出題傾向は比較的はっきりしています。解答欄の図に書き込む問題も頻出です。

理科は各分野からの出題

理科は制限時間40分、配点80点、大問は四つです。各分野から一問ずつ出題されています。小問数はひとつの大問につき5~7問程度ですが、解答欄数で数えるとそれよりもだいぶ多く50問近くあります。選択問題や適語補充、計算問題などが出題されます。問題を見ればわかるとおり、図や表を見て解く問題が多いです。

記述・論述問題が多く出題される社会

社会は制限時間40分、配点80点、大問三つです。全分野からで時事問題も出題されます。図表やグラフをはじめ資料が多く出てきて、そこから必要な情報を読み取って解きます。記述問題や論述問題も数多く出題されています。各大問につきひとつ、大きめの解答欄の記述問題や論述問題が出ているのが特徴です

ポイント
  • 国語は知識問題が多く、算数では考え方や解き方を問う問題が出題される
  • 理科は問題数が多く、社会は記述・論述問題が多い為、どちらも時間がタイトになる

横浜雙葉中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

横浜雙葉中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

横浜雙葉中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

漢字を丁寧に書く習慣を

大問一で八つの漢字の読み書きが出題されます。難しい漢字が出るわけではないので、確実に答えられるようにしましょう。特に書くほうは「とめ」「はね」「はらい」まできちんと書けないと、丸がもらえない可能性があるため、細部まで意識を向けましょう。

短い文章を読んで答える知識問題

大問一の中には、短い文章を読んで答えるタイプの知識問題が出題されます。空欄に入る言葉を選ぶ問題や選択問題、記述力を問う問題、語彙を問う問題など、さまざまな角度から出題されるため、過去問を参考に対策しておきましょう。

説明記述に対応できるよう

記述問題は、抜き出しや説明記述問題などが出題されます。2024年度2期の問題では、その状況に相応しい台詞を考えて書くという問題も出題されました。一般的な書く力はもちろんですが。自分の想像をまとめて論述する力も求められます。過去問を解いて、どんな問題が出ていたのか、どうやったら得点につながる解答になるのかを考えましょう

なお、まとまった分量の記述は2024年度では三問出ています。多いものだと四行の解答欄に書くので、どうしても時間がかかりがちです。確実に解けるようにしましょう。

文章をたくさん読んで語彙力を増やそう

語意に関する問題はたくさん出題されます。慣用句やことわざだけではなく擬態語や「ず」と「づ」の使い分けなどといった広い知識が問われます。そうなってくると、直前に詰め込んだだけでは得点できないでしょう。

日頃から読解文を読む際に、どんな言葉や表現があるかをチェックするようにしてください。わからない言葉は調べてその場で頭に入れます。文章の中で覚えると、正しい使い方を理解できます。

合格者平均点は80点以上

2024年度は1期、2期ともに合格者平均点は80点以上と高得点です。合格を目指すならこのラインは押さえておきましょう。

横浜雙葉中学校の国語対策
  • 漢字は細かい部分まで採点されるため丁寧に書く習慣を付けておく
  • 語彙力が重要になるため、文章を多く読んで正しい使い方を身に付ける

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

計算と小問集合で失点しないように

大問一で計算二問と小問集合が出題されます。小問集合に出る問題は、特殊算や場合の数、平面図形などさまざまです。出題分野は広いですが基本的な問題が多いので、苦手な単元がある場合はやり込んで克服しておきます。大問一では確実に得点することを目指しましょう。

頻出単元を押さえておこう

算数の頻出単元にははっきりとした傾向があります。まず点の移動の問題です。平面図形の上を点が移動する問題がよく出題されます。点ではなく平面図形自体が移動するタイプの問題も出ます。これらの移動の問題はグラフと関連付けた出題も多く、この手の図形問題が苦手な子供は数をこなして対策しておく必要があります。他には、数の性質の問題もよく出ます。単元だけではなく出題形式も傾向がはっきりしているので、過去問をやり込んで対策しておきましょう。

立体図形の問題も解けるように

平面図形が多いですが、立体図形も頻出単元のひとつです。容器に水を入れる問題や立体図形の上を点が移動する問題などが出題されています。立体図形となると、苦手意識の強い子供が少なくないですが、ある程度問題の傾向が決まっているので対策は立てやすいです。類題をこなしてください。

図形に書き込む問題も出題

解答欄に展開図を書き込む問題や、平面図形のどこを点が通ったかを書き込む問題など、図形に書き込むタイプの問題がたくさん出題されています。過去問や類題で慣れておきましょう

解き方や考え方を書き込む問題

解き方や考え方を書き込む問題も出題されます。解答欄のスペースは広めです。減点されないように、要点を押さえて順序だてて過程を落とし込んでください。

横浜雙葉中学校の算数対策
  • 頻出単元がはっきりしているため、過去問や類題で図形への苦手意識をなくす
  • 解き方や考え方を書き込む問題が出るため、広いスペースに要点を順序だてて書く練習をしておく

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

難しい問題は少なめ

難しい問題は少なめです。基本的な知識がきちんと身についているかどうかが問われます。各単元の内容をとりこぼしなく覚えるようにしましょう。標準的な問題でいかに失点しないかが合否の分かれ目といえます

実験や観察からの出題が多い

実験や観察からの出題が多いので、必然的に計算問題も多くなります。スムーズに解けるよう対策しておいてください。計算は途中式を解答欄に書かなければならない問題も出ています。重要な式を省かずに書けるようにしてください。ケアレスミスで点を落とさないよう注意を払いながら解きましょう。

絵や図の問題が出ることも

2024年度はメダカの体のつくりを書き込む問題が出ていますし、2023年度は天体関連で図を書き込む問題が出ています。正しく書き込めるよう、テキストに載っている写真や図にも日頃から注意を向けておきましょう。

横浜雙葉中学校の理科対策
  • 算数と同様に計算の途中式を書く問題が出るため、重要な式を省かない様に日頃から取り組む
  • テキストに載っている写真や図を正しく書き込めるようにしておく

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

長いスパンで出題されることも

歴史の問題ではひとつのテーマが設定されていて、それにまつわる幅広い時代から出題されるので、とりこぼしなくすべての時代を頭に入れておきたいところです。人物や出来事をよく問われるため、基礎知識が頭に入っているか確認しておきましょう。

記述問題や論述問題が多く出題

社会は記述や論述の問題が多く出ます。各大問で必ず記述があるので、ポイントを押さえた文章を書けるようにしましょう。また、時間が足りなくならないよう、スピーディーにこなせるようにしてください。

たとえば、2024年度には、グラフを見て青森県のりんごの出荷について特徴を述べる問題や、地方議会議員の選挙で無投票でも当選になってしまうケースのなにが問題かを論述する問題が出題されています。

とりわけ公民分野の論述は苦手な子供が多いので、日頃からニュースを見て、さまざまなトピックに関心を持っておきたいところです。論述は説明記述よりさらに時間がかかることが予想されるので、他の問題を素早く終えて解く時間を確保してください。

資料からの出題が多い

社会は資料からの出題が多いです。そのため、地理なら地図や地形図、統計、歴史であれば年表や史料を頭に入れておいてください。特に地理は社会の中でも学ぶ時期が早い分野であるため、受験前までに知識が抜けていきがちです。覚え直しましょう。

横浜雙葉中学校の社会対策
  • すべての時代の基礎知識を頭に入れておく
  • 記述問題が出るため、ポイントを押さえた文章をスピーディーに書けるように練習しておく

過去問から出題傾向をしっかりと読み取って臨もう

過去問から出題傾向をしっかりと読み取って臨もう

出題傾向が比較的はっきりしているため、過去問をやり込むことで対策がしやすくなります。

国語は大問一で知識問題が出題されるため、語彙力の強化が欠かせません。語彙力は詰め込みで覚えるよりも日頃からコツコツ積み重ねていく姿勢が大切です。

算数は大問一の計算・小問集合で失点しないようにしてください。頻出単元や問題の傾向がかなりはっきりしているので、過去問を解いて押さえておきましょう。図形問題が多く、点の移動や図形の移動が非常によく出るため、苦手な子供は早い時期からの対策をおすすめします。

理科は標準レベルの問題が多いため、一問一問を確実に解いてください。実験や観察の問題がメインで計算問題も出題されます。ケアレスミスをしないようにしたいところです。絵や図に書き込む問題も出るので、過去問を参考に対策しておきましょう。

社会は、歴史の問題は広い時代から出題されるケースが多いので、とりこぼしのないようにしておきましょう。記述や論述が多いのが特徴です。時間がタイトになりがちなので素早く解いていきましょう。

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