ビタミンAの主な働き
ビタミンAのはたらきとして最も良く知られているのが、目の健康に関する働きです。
多くのサプリメントなどでビタミンAの配合がうたわれており、テレビCΜなどで目にする機会も多いと思います。人の目の網膜には光の明暗を感じる細胞があり、その細胞の中に視力に関して重要な働きをする「ロドプシン」という物質が存在します。そのロドプシンの主要成分がビタミンAから作られるのです。
そのため、人の視力にはビタミンAが欠かせない重要な栄養素なのです。常に一定の距離で教科書やノートを見続けたり、ネットで情報を調べたりと、受験生は非常に目を酷使するのでビタミンAをしっかり摂取し、目の健康を保ちましょう。
またビタミンAは皮膚の新陳代謝を促す効果もあると言われています。皮膚は体の表面だけでなく、口腔内や胃などの粘膜も含まれています。そういった広義での皮膚の健康を保つことは細菌やウイルスの侵入への抵抗性に大きな効果があります。病気になっている暇のない受験生にとって、ビタミンAは目と免疫のために非常に重要な栄養素と言えます。
ビタミンAの多く含まれる食品
小学生の1日におけるビタミンA摂取量はおおよそ300μg~450μg程度と言われています。そしてビタミンAは過剰摂取による害があるので摂りすぎるのも禁物です。おおよそですが、1日に摂取する量を1,500μgまでに抑えた方が良いでしょう。
過剰摂取の害については、新陳代謝を促進し過ぎるためか、脱毛や唇のひび割れ、皮膚の乾燥が起こるようです。また、脳への血圧が上がり頭痛を発症してしまうこともあります。動物の肝臓には非常に多く含まれているので子どもには多く与えない方が良いかもしれません。
しっかり摂るべき栄養ですが、サプリメント等を使わずに食事の中で上手に摂るようにしましょう。
<主な食材>
・鶏肝臓:1,700μg(100gあたり)
・豚肝臓:1,300μg(100gあたり)
・うなぎ:2,400μg(100gあたり)
・いくら:330μg(100gあたり)
・ホイップクリーム:330μg(100gあたり)
・プロセスチーズ:260μg(100gあたり)
・パルメザンチーズ:240μg(100gあたり)
・卵黄:470μg(100gあたり)
・うずら卵:350μg(100gあたり)
・モロヘイヤ:6,600μg(100gあたり)
・にんじん:7,500μg(100gあたり)
・ほうれん草:5,400μg(100gあたり)
ビタミンAの調理時の注意点
上述のビタミンA含有量の多さに驚いた方もいるのではないでしょうか。しかし、植物性の食材から摂取できるビタミンAは吸収率が悪く、最高でも60%ほどしか吸収できません。サプリメントを使ったり、レバーをたくさん食べたりしなければ過剰摂取となる可能性はまず無いので安心して摂るようにしましょう。
ビタミンAは脂溶性ビタミンと呼ばれ、油に溶けて水に溶けにくい性質を持っています。そのため油で炒める調理方法が向いています。植物性のビタミンAは特に野菜炒めのような調理方法で吸収効率が上がるので、生野菜よりも調理野菜で摂取したいですね。
ビタミンAの含まれるおススメ料理
1.野菜炒め(春雨入り)
野菜を油で炒めることでビタミンAの吸収効率を上げる最善の調理方法です。低GIの春雨を入れることで、食事後の血糖値の上昇を緩やかにできます。血糖値の上昇を抑えることで、食後の眠気も抑えて勉強に集中することができます。
2.モロヘイヤとトマトのスープ
モロヘイヤとトマト、玉ねぎを鶏ガラスープで整えた温かいスープはビタミン豊富な栄養食品です。好みで少量のしょうがを入れることで冬に嬉しい体も温まる夜食になります。
3.チーズオムレツ
スライスチーズを使った簡単オムレツです。オムレツの中に野菜を入れることで栄養価も高めることができます。ただしニンジンはGI値が高く食事の直後に血糖値が上がりやすくなってしまいます。血糖値が上がると食後に眠気を誘発してしまうので、GI値の低いネギやアスパラ等の食材を入れると良いでしょう。
4.ニンジンのキンピラ
ニンジンの皮をむき砂糖とみりん、しょうゆで味付けをし、水気が飛ぶまでしっかりと炒めるだけでビタミンAをしっかり摂取できるキンピラの出来上がりです。
5.うずらの卵の味玉
うずらの卵を酢、みりん、めんつゆを混ぜ、うずらの卵の水煮をタッパーに入れ、冷蔵庫に半日以上漬け込みます。非常に簡単にできて手軽に食べられるおやつの完成です。ビタミンA以外の栄養も豊富なので、献立の中の「もう一品」にも最適です。