栄光ゼミナールは幅広いコースを展開している塾です。その中には中学受験に向けたコースもあります。スモールステップ方式と手厚いフォローが特徴的な栄光ゼミナールですが、どんな塾でも勉強についていけない子供は一定数います。この記事では、栄光ゼミナールに通ってはいるものの、勉強についていくのに困難を感じている家庭に、勉強法を紹介します。
そもそも栄光ゼミナールってどんな塾?
栄光ゼミナールは10名程度の少人数指導で中学受験合格を目指す、教室数の多い塾です。2015年にZ会が栄光ホールディングスを子会社化したため、Z会グループ入りしました。
教師の質を維持するための取り組みにも熱心で、定期的な教務指導力検定を実施し、より上位の認定者が評価を行っています。ただし、そうしたシステムが整っている一方で、塾講師によって授業の質に差があるという指摘も聞こえてきます。
中学受験のコースは低学年向けのジュニアコース、中学受験コース、難関中学受験コース、公立受検コースに分かれています。家庭学習のフォローにも注力していて、各生徒に合わせて一週間ごとの学習計画を作成。定期的に行われている塾内模試の結果も反映されています。
保護者との定期的な面談の場を設け、家庭学習のアドバイス、最新の受験情報の共有、進路相談などを通したサポートを行っています。また、各教科の担任が生徒カルテを作成しているため、授業での様子や面談の内容、日ごろの悩みに至るまで、子供の情報を把握することができます。
少人数指導以外に一対二の個別指導も用意されていて、科目や時間割を自由に選択できます。ブース型の自習室の利用も可能です。授業日以外であっても、教室が開いてさえいれば使用できます。駅の近くの立地なので通いやすいのも特徴です。生徒が来る時間帯には、教師が教室周辺や入口での声掛けをしています。ピットカードを活用していて、生徒が塾に来ると保護者にメールが届く仕組みとなっています。
サポートの手厚さや個別指導の選択肢がある点などで魅力的な塾ですが、デメリットもあります。最大のデメリットは、校舎数が多い分生徒が分散していて、志望校ごとのカリキュラムが他の大手中学受験塾と比べて細分化されていない点でしょう。そのため、難関校にはあまり強くない傾向にあります。進度も遅めで、時間をかけてじっくり進みます。総合的には中堅校以下を目指す子供におすすめです。ちなみに、2024年度の御三家の合格実績は55名という結果でした。早慶GMARCHの附属校は250名です。
栄光ゼミナールにおける国語の勉強法は?
栄光ゼミナールにおける国語の勉強法を見ていきましょう。
栄光ゼミナールの国語で使う教材は?
栄光ゼミナールの国語では『中学受験新演習シリーズ』をやり込みます。この問題集は基礎と標準がメインで解きやすい仕様です。ただし、易しい分、国語が得意な子供の中には物足りなさを感じる子供も少なからずいるでしょう。難易度は徐々にレベルアップしていく構成になっていますが、難しい問題はあまりありません。漢字は家庭学習用の『漢字日記』があります。
栄光ゼミナールで国語をどう勉強する?
栄光ゼミナールでは、低学年から要約力を育む指導がされていて、読む力、書く力の両方を育成しています。テキストもとっつきやすく、スモールステップ方式で実力を身につけていけるため、授業を前提とした問題集というよりは独立した問題集としても使えるタイプの内容です。ただし、扱っている内容はあくまで中学受験レベルの基礎・標準問題なので、学習習慣が確立されていない子供はついていけなくなります。まずは授業に集中し、わからない問題は授業後に聞きに行く習慣をつけてください。
授業自体にはついていけても、志望校レベルの実力をつけるには至らない子供もいるでしょう。栄光ゼミナールの教材は難易度が易しいため、物足りないようであれば、『実力アップ問題集』や四谷大塚の『予習シリーズ』を併用するのがよいです。特に偏差値65より上の学校を狙うのであれば、『中学受験新演習シリーズ』だけでは難しいです。
栄光ゼミナールでは得点につながる解答が書けるよう、記述のコツを丁寧に指導してくれるので、授業中わからない内容があればどんどん質問をしていくのがよいでしょう。記述の採点はプロの目で見ないと難しいところがあるので、国語の勉強は特に塾との連携が重要になります。
漢字の書き取りや慣用句を覚えよう
漢字は家庭学習用の『漢字日記』があり、宿題も毎回出るため、その都度、確実に覚えるようにしていきましょう。とめはねはらいを疎かにしないようにしてください。問題文を読んだら出てきた慣用句は必ずその単元で覚えきるようにします。慣用句に限らず、わからない言葉は調べる前に前後の文脈から推測する癖をつけましょう。
低学年のうちからの読書がカギ
読書量に限らず、抜き出しの問題で間違えを頻発してしまう子供、文章の要点をまとめるのが苦手な子供は確実にいます。しかし、読書をすればその分、語彙力は増えますし、文章への抵抗感を減らすこともできます。それだけでも有利になるのは間違いありません。
学年が上がるごとに本を読む時間を確保しづらくなるので、早いうちに本を読む習慣を作りましょう。そのためにはリビングの取り出しやすい位置に、常に子供の好みに合った本を置いておくとよいです。子供の好みに合ったアニメやゲーム、漫画のノベライズ辺りからだとよい反応を得られます。
- 授業に集中し、わからない問題は授業後に聞く習慣をつける
- 漢字や慣用句は宿題で確実に覚え、前後の文脈から推測する癖をつける
- 低学年から読書習慣を作り、語彙力や文章への抵抗感を減らす
栄光ゼミナールにおける算数の勉強法は?
栄光ゼミナールにおける算数の勉強法を見ていきましょう。
栄光ゼミナールの算数で使う教材は?
栄光ゼミナールでは『中学受験新演習シリーズ』や『実力アップ問題集』を用います。『中学受験新演習シリーズ』は反復しながらステップアップしていける仕様です。算数が得意な子供であれば、『実力アップ問題集』をこなすこともできるでしょう。毎日コツコツ解いていく教材として『計算日記』もあります。数問ずつですが、積み重ねていくことで実力を定着化することができます。
栄光ゼミナールで算数をどう勉強する?
まずは『中学受験新演習シリーズ』を確実に固めることが大切です。授業についていけない子供は、基礎・標準を理解するところから始めなければなりませんから、そういう意味では、ぴったりな難易度に設定されているといえます。算数は単元ごとのつながりが深いため、今つまずいているポイントが過去の単元にある可能性は高いです。テストや模試の結果を見て苦手な箇所を特定し、塾講師と相談しながら復習していきましょう。
ただし、今後上位校以上の受験を見据えているのであれば、『中学受験新演習シリーズ』だけでは足りないでしょう。基礎や標準レベルの定着化で終わってしまいます。そうした場合は、『実力アップ問題集』をやり込んでみてはどうでしょうか。四谷大塚の『予習シリーズ』を併用するのもおすすめです。『予習シリーズ』は難易度の高い問題も載っていますし、『演習問題集』といった『予習シリーズ』の類題をこなせる問題集も出ているため、問題数にはこと欠きません。
計算力を固めよう
算数の問題の考え方を理解できても、計算ミスを乱発しているようでは得点にはつながりません。計算力を固めることはとても重要ですが、単元の勉強を優先し、計算は後回しにしている子供は多いです。結果、解ける問題で得点できなくなります。また、計算力が足りないにもかかわらず、解ける気になっているケースも多いです。日々「計算日記」をコツコツやり込むことで実力を定着化させましょう。苦手なタイプの計算があれば類題をやり込む姿勢も大切です。
図形が苦手な子供が多い
志望校の頻出単元に図形が含まれるのであれば、早いうちから対策しておいたほうがよいでしょう。問題数をこなして出題パターンをある程度頭に入れることが大切です。図形は一問一問理解するのに時間がかかることもあり、苦手な子供ほど避ける傾向にあります。
しかし、問題数をこなして初めて身につく単元です。平面図形も立体図形もさまざまな問題が出題されますし、広く出題パターンを押さえておくことをおすすめします。特に立体図形の切断の問題は苦手意識を持つ子供が多いです。繰り返し取り組むようにしましょう。
- 『中学受験新演習シリーズ』を活用して基礎を固め、苦手単元を特定して復習を行う
- 日々「計算日記」を継続し、計算ミスを減らし、苦手な計算パターンは類題を繰り返して克服する
- 平面図形・立体図形の頻出パターンを頭に入れるまで繰り返し練習する
栄光ゼミナールにおける理科の勉強法は?
栄光ゼミナールにおける理科の勉強法を見ていきましょう。
栄光ゼミナールの理科で使う教材は?
メイン教材は『中学受験新演習シリーズ』です。理科の基礎・標準を固めることができます。応用・発展問題まで対応できるようになりたいのであれば、『実力アップ問題集』を使用するとよいでしょう。
栄光ゼミナールで理科をどう勉強する?
中学受験の勉強はどうしても算数や国語の比重が高くなりがちで、理科や社会に回す時間を確保するのが大変です。理科は授業内で説明されたことをできる限り理解するよう努め、できなかったものは、できるだけその日のうちにやり直しておくとよいです。ただ、そうはいっても、なかなか手が回らないこともあるでしょう。その場合はアタックテストごとの見直し、やり直しを徹底しましょう。
理科は分野によっても得意不得意が分かれがちです。理屈がわかれば解ける分野もあれば、生物分野のように知識を頭に入れておかないと解けない問題が多くを占める分野もあります。覚えた端から知識は抜けていってしまうため、焦りを感じることも多いでしょうが、何度も覚え直すことで徐々に定着化を図る姿勢が大切です。
化学や物理分野では実験や観察が多く、計算問題がよく出題されます。算数と同じで、中途半端な理解だと本番で解けません。数多く類題をこなしていきましょう。
- 授業内での説明をしっかりと理解することから始め、わからない点はその日のうちにやり直す習慣をつける
- アタックテストごとの復習・見直しを徹底する
- 分野ごとに得意・不得意が分かれやすいので、自分の弱点を把握する
栄光ゼミナールにおける社会の勉強法は?
栄光ゼミナールにおける社会の勉強法を見ていきましょう。
栄光ゼミナールの社会で使う教材は?
栄光ゼミナールでは基礎・標準を学ぶための教材として『中学受験新演習シリーズ』を使用しています。発展問題までの内容が載っている教材として『実力アップ問題集』もあります。
栄光ゼミナールで社会をどう勉強する?
『中学受験新演習シリーズ』をよくやり込み、問題を理解していく作業が必要となります。気をつけなければならないのは、丸暗記しないようにするという点です。覚えるのは大切ですが、用語だけを丸暗記しても問題は解けませんし、そうして詰め込んだ知識はすぐに抜けていってしまいます。
社会は言葉に出して覚えることが大切です。栄光ゼミナールでもストーリーで覚えること、会話の中で覚えることを勧めています。社会はどうしても点と点で覚えてしまいがちです。しかし、受験で出題される際には、点と点がどう結ばれるかが問われるケースが多くあります。歴史漫画シリーズを読み込むのもよいでしょう。ストーリーで理解できていれば、細かな知識の定着化も早いです。もしくは、「話して」覚えていきましょう。単元ごとに通しで説明できるようにしていきます。
ただし、社会では、漢字で書かなければならない語句がたくさんあります。そのため、書いて覚える作業も欠かせません。ノートを作成し、手を動かしながら頭に入れていきましょう。単語だけを書き出すのではなく、説明を文章や図に落とし込んで書くとよいです。
- 覚える際は用語だけではなく、ストーリーで理解する
- 点と点を結ぶように、覚えた知識を繋げる練習をする
- 歴史漫画シリーズを活用することで、理解が深まりやすい
授業中に理解を深め、授業後にやり直しを
まずは授業内でどう効率よく理解を深めるか、授業後どうやって復習するかを考えてみましょう。授業でわからなかったところは先延ばしにしないことが肝心です。すぐに質問に行く習慣を身につけましょう。『中学受験新演習シリーズ』の難易度は高くないので、学習習慣さえ定着化すればとっつきやすいはずです。
ただし、勉強が軌道に乗り、より上を目指したいと思えたのなら、他の問題集を併用する必要があります。『実力アップ問題集』に挑むのもよいですし、四谷大塚の『予習シリーズ』を併用するのもよいでしょう。あらかじめ志望校の過去問に先に目を通しておき、自分がどのレベルまで学力をつけなければならないかを把握しておくとよいです。アタックテストごとの復習も重要で、テストに備えた勉強はもちろん、ミスした問題のやり直しにも力を入れましょう。
なかなか学習習慣が定着化しないということであれば、家庭教師サービスにサポートを求めてみるのもおすすめです。中学受験塾での学びをサポートするコースを提供しているサービスはたくさんあります。