中学受験塾のエルカミノとVAMOSの評判って。それぞれの特徴

中学受験塾で人気を集めるのは大手四塾だけではありません。エルカミノとVAMOSは近年、数ある塾の中でも存在感を発揮しています。この記事では、中学受験合格を目指す家庭に向けて、それぞれの塾の評判や特徴を紹介します。

エルカミノってどんな塾？

エルカミノはどんな塾なのでしょうか。

エルカミノに入塾するには？

まずはエルカミノに問い合わせをし、体験授業を受けてから入塾テストの流れです。テストの結果を受けて手続きを進めます。ただし、小学校一年生から三年生の「二科コース」にはテストはありません。

主体的な学習サイクルを目指す

中学受験の合否を分ける大きな要因となるのが、勉強に対する取り組みの姿勢です。エルカミノでは、生徒本人が主体的に勉強を進める学習サイクルの確立を目指します。

けっして受け身の学びではありません。やらされてしぶしぶ勉強する状態では中学受験は続きません。そうならないよう、まず自分で解いて、わからなかったらヒントをもらうやり方を採用しています。自力で解答に辿り着く喜びをモチベーションにするためです。

算数にこだわりを持つ塾

エルカミノといえば、算数教育に重きを置いたカリキュラムが有名です。算数は中学受験において最重要科目とよくいわれます。なぜなら、一番顕著に得点差がつく科目だからです。

エルカミノでは、「迅速かつ正確な計算能力、問題の理解力と識別能力、解法の道筋を考察する仮説構築力、それらを複合して考えるための論理思考力」を育成することを目指します。

こうした論理思考力は他の科目に挑む上でも重要です。たとえば、国語であれば読解や記述において、論理的思考力は効果を発揮します。理科・社会でも資料やデータに基づき、論理的思考力を問う問題は数多く出ています。

オリジナル教材で学習モチベーションを向上

エルカミノでは「自ら解法に気づかせる」ための授業を行っていて、その下地となっているのが反復学習です。この反復学習において、エルカミノはオリジナル教材を採用しています。同じ解法を繰り返すことで、実力を身につけられる仕様です。

飛び級制度を活用している塾

エルカミノには飛び級制度があり、実際の学年に縛られず実力次第で上の学年のカリキュラムが受けられるようになっています。ただし、これは算数限定です。「算数の学力は子供によって伸びる時期に差がある」というのがエルカミノのスタンスです。そのため、その子の成長時期に合った指導を行うべきと考えているのです。

受験後を見据えて通塾できる塾

「大学受験コース」があり、中学一年生から受講可能なため、中学受験後を見据えて通うことができます。

エルカミノにはどんなコースがあるの？

中学受験合格に向けて、エルカミノにはどんなコースが用意されているのでしょう。

一年生～三年生対象「二科コース」

二科コースは算数と国語です。週一回の授業で1コマ70分の授業を実施します。算数と国語を35分ずつで週一回です。

算数ではエルカミノオリジナル教材を使用し、論理的思考を育みます。小学三年生の9月までに分数・小数の四則演算を学習。10月以降は四年生の先取りをします。

国語では、有名文学や北原白秋・中原中也の詩の音読を通し、日本語と親しみ、読解力をつけていきます。なお、それぞれの学年は小一（4月～翌年1月末）、小二（小一の2月～翌年1月末）、小三（小二の2月～翌年1月末）で設定されています。

四年生対象「内進コース」「受験コース」

内進コースは二科、受験コースは四科で、どちらも週二回の授業です。四科の場合、理科は算数のあと、社会は国語のあとにそれぞれ40分ずつ行います。算数オリンピック講座との併用も可能です。

五・六年生対象「内進コース」「受験コース」

内進コースは算数S・国語S、受験コースは算数S・算数HL・国語S・国語HL・理科・社会です。
「S」はスタンダード、「HL」はハイレベルの略となっています。

五年生～六年生は四教科週3日となります。算数と国語はそれぞれ2コマ、理科社会の日はそれぞれ1コマずつです。内進コースでも希望があれば、算数HL・国語HLを追加できます。土曜日の算数ゼミ、算数オリンピック講座などとの併用も可能です。

二～三年生対象の「キッズBEE講座」・四～六年生対象の「メダリスト育成講座」

算数オリンピックの理念を尊重した授業を行っています。単なる対策授業ではなく、思考力・発想力を育成する内容です。

小学二～三年生対象の「キッズBEE講座」や、小学四～六年生対象の「ジュニア算数オリンピック」や「算数オリンピック」入賞を目指す「メダリスト育成講座」を開講しています。「メダリスト育成講座」ではオリジナル教材を使用し、ファイナルでの上位入賞を狙います。

小六対象の「筑駒算数講座」

「筑駒算数講座」は六年生の一年間受けます。週に1日、80分2コマの授業形式で、どの校舎であっても六年生の通常授業とは別の曜日に設定されているため、重複することはありません。エルカミノ生以外であっても受講可能です。中学受験のカリキュラムの中でも最高レベルの難易度を誇る算数講座といわれています。

小学部オンライン講座

オンライン講座の対象となるのは、小六対象「筑駒算数講座」「中学受験コース」（四科）と小五対象「中学受験コース」（四科）と「飛び級算数」（小六算数）、小四対象「中学受験コース」（四科）と「飛び級算数」（小五算数）、小三対象の飛び級算数（小四算数）です。双方向性のある授業となっています。

エルカミノの評判って？

エルカミノは少人数制が上手く奏功していて、講師の目が行き届いていると評判です。オリジナル教材も充実していて、その子に合ったフォローをしてくれるという声が多くあがっています。算数において、子供の成績の伸びを実感している家庭は多いです。

一方、費用の高さや教室の狭さへの不満、算数以外は他塾と併用したほうがよいなどの意見も出ています。

VAMOSってどんな塾？

VAMOSはどんな塾なのでしょうか。

VAMOSに入塾するには？

小学四年生までは新規説明会に参加し、学力チェックと体験授業を経て入塾する流れです。ただし、最上位クラスを希望する場合は個別に問い合わせが必要となります。五年生・六年生はクラスを問わず、個別に問い合わせてください。

少人数制で子供に寄り添った授業を目指す

VAMOSは子供ひとりひとりへのフォローを手厚くするため、少人数制を採用しています。学力によって必要なフォローが違うため、どのレベルの子供も主役になれるサポート体制で臨んでいるのです。

五年生以降は充実した志望校別サポート

五年生以降は細かく志望校別サポートを実施しています。志望校は御三家だけでなく渋渋や渋幕、海城、鴎友あたりにも対応しています。

最新の受験事情を広く発信

保護者会や講演会、YouTubeを通して最新の受験事情や子供の学習習慣についての情報を発信しています。

算数に注力する姿勢

VAMOSでは算数に注力しています。中学受験の算数の難しさは思考力と作業力の両方を要求するところにあります。パターンだけ頭に入っていても解けない問題がたくさん出題されるのです。VAMOSでは、生徒が本番で確実に得点できるよう学力向上を目指します。同時に算数への興味も育てています。

記述に重きを置いて指導

VAMOSでは記述にも重きを置いています。中学受験では、国語のみならず社会や理科においても記述問題が出題されるため、記述に強くなることは必須です。VAMOSは武蔵や海城などの記述力が問われる学校でも実績を出しています。

バスタブ理論を採用

VAMOSではバスタブ理論を採用しています。幼稚園から小学四年生は「バスタブを大きく頑丈にする時期」です。小学四年生から小学五年生は「バスタブに水を入れていく時期」、小学六年生は「各自のアレンジを加える時期」と位置づけています。これは、小学四年生までに勉強の土台作りをし、四・五年生で知識や基礎力を定着化し、六年生は各自の志望校や目標に向けた学習を推し進める時期であることを意味します。

受験後を見据えて通塾できる

「高校受験クラス」や「中高一貫コース」があるため、受験後を見据えて通塾することが可能です。

VAMOSにおける学年ごとの学習内容は？

VAMOSにおける学年ごとの学習内容を見ていきましょう。

小学一年生～三年生の学習

勉強への関心を引き出し、基礎学力を定着化させるカリキュラムとなっています。計算力や漢字力、読解力の定着化を図る授業です。そのために復習テストの実施をはじめとする学習サイクルを確立しています。通塾回数は週一回で、希望曜日に応じた設定が可能です。扱う科目は算数と国語で、季節講習では理科を選ぶこともできます。

小学四年生の学習

小学四年生は、平常授業で四科目をこなしていきます。受験レベルの計算力が身につくよう、夏の終わりまでに仕上げていきます。また、受験には必須の特殊算・図形問題・パズル問題などを学びます。国語では難しい文章にも挑戦し、読解力を向上すると同時に語彙力も増やしていきます。理科・社会は新しい知識を知る楽しみを提供しています。通塾回数は週二回で、二科目もしくは四科目です。

小学五年生の学習

本格的な受験勉強が始まります。子供たちが自分の実力を伸ばしやすいよう細かなクラス分けがされる仕組みです。少人数指導なので、苦手な部分をきめ細かやかにフォローしてもらえます。学力差の出やすい算数は特に丁寧な指導が行われ、保護者向けの志望校のレクチャー、面談なども本格的に開始します。季節講習等で志望校別クラスを一部導入しています。通塾回数は週3回または4回です。

小学六年生の学習

志望校合格に焦点を絞った指導が行われます。各学校の出題傾向に合わせた学習です。科目ごとに細かくクラス分けをし、志望校や学力を意識した指導を実施。その子の持つ力を伸ばせる進学先はどこかを考え、徹底的にサポートしていきます。通塾回数は週3～5回で、科目数は二科目もしくは四科目です。

小学三年生から六年生対象の最上位クラスの学習

最難関校合格を目指す小学三年生から六年生の生徒には、最上位クラスが用意されています。この場合の最難関校とは御三家、筑駒、灘、渋幕、渋渋、豊島岡、海城、広尾、筑付などです。発展的な問題や演習などをやり込んでいくクラスで、算数はパズル的な思考問題、算数オリンピックの問題、国語は記述問題の添削指導、理科・社会は入試過去問等の問題演習など実践的な内容を扱います。通塾回数は週1～5回で学年によって異なり、科目数は二科目もしくは四科目です。

VAMOSの評判って？

面倒見のよさには定評があり、少人数制を採用しているだけあり、子供ひとりひとりをよく見てくれる塾と言われています。費用も妥当という評価が多いです。また、志望校選定でも、受験校をしっかりとリサーチした上でのアドバイスがもらえたという意見が目立ちます。

一方で、やる気のない生徒にはあまり向かないという声もあがっているようです。逆にいえば、主体的に勉強しようとする子供にとっては、グングン伸びる環境だといえます。

エルカミノとVAMOSそれぞれ合う塾を選ぼう

エルカミノは主体的に学習を進める力を育成する塾で、科目の中では特に算数に力を入れています。算数で有効な論理思考力を育てることが、他の科目でも生かせるというスタンスです。学年ごとに内進コースと受験コースがあり、優秀であれば飛び級も可能です。小六対象の「筑駒算数講座」は中学受験のカリキュラムの中でも最難関レベルといわれています。カリキュラムやオリジナル教材、指導力が好評な一方、費用や設備に対して不満を持つ人もいるようです。

VAMOSは算数や記述に重きを置いた中学受験指導を行っています。少人数制を採用していて、それぞれの状態に合わせた手厚いフォローを実施。五年生以降は志望校別サポートも充実しています。最難関校を目指す生徒には、通常のカリキュラムとは別に、最上位クラスを用意しています。塾としての面倒見のよさやカリキュラムが評価されている一方で、やる気のない生徒には合わない塾だという声もあがっています。

それぞれの塾の特徴を理解して塾を選ぶことをおすすめします。