希学園は「難関国・私立中受験専門スーパーエリート塾」を謳う、中学受験塾です。難関校合格を目標に据えるだけあり、塾のレベルは高く、結果としてついていけなくなる子供もいます。この記事では希学園についていけない子供のいる家庭に向けて、勉強法を紹介します。
そもそも希学園ってどんな塾?
希学園は1992年、浜学園から独立して設立されました。大阪、兵庫、京都、奈良、東京、神奈川に展開しています。
- 希学園は主として、難関中を目指す者を対象とする多数精鋭のスーパーエリート塾である
- 『切磋琢磨』する努力を尊重する
- 熱血講師による魅力ある授業のみ提供する
- 科学的なデータと指導経験に基づく受験指導こそが真の受験指導である
- 人に迷惑をかけない、自分を律する不屈の精神力を培う
の五か条を掲げていて、通塾する生徒たちの学習への姿勢も含めて指導する塾です。
難関校合格を目標に掲げていて、復習方式の勉強法を採用しています。指導力やサポートの手厚さに定評があり、料金設定はやや高めながら、難関校受験を目指す家庭から広く信頼を集めています。どの教室も通いやすい立地にあり、駅から近いことが多いです。
希学園の2024年度春の合格実績を見ていきましょう。まず、関西圏ですが、生徒数は男子397名、女子205名、合計602名です。その内、代表的な難関校では、灘中学校に53名、東大寺学園中学校に65名、洛南中学校に60名、西大和学園中学校に108名合格しています。最難関レベルに合格している生徒が全体の53.1%、難関レベルに合格している生徒が39.7%です。つまり、塾生の92.8%以上が難関校に合格している計算になります。
続いて2024年度の首都圏の合格実績ですが、生徒数は男子125名、女子90名、合計215名です。代表的な難関校では、開成中学校13名、筑波大学附属駒場中学校8名、麻布中学校8名、桜蔭中学校10名、女子学院中学校7名という結果が出ています。
首都圏でもその名は知られていますが、関西圏での知名度のほうが高く生徒数も多いです。なお、首都圏と関西圏では社会をはじめ、講座が一部違います。希学園は、関西圏で難関校を目指すなら必ず名前があがってくる塾だといえます。
希学園における国語の勉強法は?
希学園における国語の勉強法を見ていきましょう。
希学園で使う国語の教材は?
希学園では『ベーシック』を使用します。さまざまな難易度の問題を扱っているテキストです。また、宿題でプリントが出ます。最高レベル演習や実戦レベル演習をとっている場合は、その分のプリントもあります。
希学園の宿題量をこなせるか
希学園では、各科目の宿題としてプリントが配られます。国語の宿題は『ベーシック国語オリジナルテキスト』の内容に類似するプリントです。授業をよく理解できている子供ならば、効果的な復習ができる内容だといえます。しかし、授業の理解度は子供によって大きく違うため、解くのが厳しいと感じる子供も珍しくありません。
まずは授業時間内でひとつでも多くの内容を理解できるよう、集中して取り組む姿勢が求められます。特に、国語は生徒のやり込みに差が出やすい科目です。文章を読んだり書いたりすることに苦手意識の強い子供は、授業や宿題の取り組みが甘くなり、解答欄の空白が目立ちがちになります。
中学受験では語彙力が必要
中学受験対策の国語で、メインとなるのは読解文です。物語文にせよ説明文にせよ、内容を正しく理解するためには、語彙力が欠かせません。読んでいると、知らない言葉がたくさん出てくるはずなので、その場で頭に入れるように習慣づけてください。
同時に、本番で意味がわからない言葉が出てきたときに備えて、前後の文脈から推測する練習もしておきます。日頃からの積み重ねが重要です。
難関校受験では速読が求められることも
難関校受験では読解文の文章量が多いことが珍しくありません。一万字を超える文章を出してくる学校もあります。そのため、正確に読み込まなければならないことはもちろんですが、それだけではなくスピードも求められるのです。読む速度はすぐに速くはなりませんから、目標の字数を定めて練習が必要になります。
たとえば試験時間が50分だったとします。一分500字で読むと一万字の文章を読むのに20分かかりますから、問題を解くために使える時間は30分だけです。それでは記述問題が多い学校ではとても間に合いません。学校によっては一分あたり700字~800字ぐらいにレベルアップする必要があります。
ただし、読解文の字数や記述問題の量は学校によって開きが大きいので、自分の志望校がどうかを確認しておきましょう。過去問を解いてみて、時間が足りないようであれば、改善が必要です。合格ラインに達する得点をとるためには、どのぐらい解く時間を確保すればよいのかを知っておきましょう。タイマーをかけて、一分辺りに読む字数が増えているか確認して記録してください。時間を意識するだけでもだいぶ変わってきます。
- 国語の宿題を効率よくこなし、授業内で集中して内容を理解する
- 語彙力を強化し、読解力を高めるために知らない言葉はその場で覚える習慣をつける
- 日頃から文脈から意味を推測する練習をする
- 志望校ごとの過去問を解いて、時間配分を確認し、改善点を見つける
希学園における算数の勉強法は?
希学園における算数の勉強法を見ていきましょう。
希学園で使う算数の教材は?
『ベーシック』が中心です。宿題は算数のプリントが出されます。最高レベル演習や実戦レベル演習をとっている場合は演習のプリントもあります。
算数の難易度の高さで知られる希学園
灘中学校は算数の入試が際立って難しいことで知られています。その灘中学校に強いことで知られる浜学園から独立した影響もあってか、希学園の算数はレベルが高いです。カリキュラムも先取りで、きちんとこなせる子供なら、算数が得意になるでしょう。逆に言えば、一度ついていけなくなると、そこから追いつくのが大変です。
ついていけないと感じたら、すぐに希学園の強みである盤石なサポートを頼りにしましょう。チューターやプレチューターによるフォローや、質問への対応が充実しているので、一度塾に相談してみてください。希学園にはポリックという個別指導もあるので、集団授業に追いつくために個別指導を勧められるケースもあります。
希学園の算数の宿題が難しい
希学園の宿題量は多く、「こんなにできない」と嘆く生徒もいます。実際、希学園としても負担を感じているようであれば、それぞれのこなせる量に合わせて優先順位を決めるといった対応をとっています。
宿題は授業でやった内容を下地にしていますから、授業に集中できていなかったり、授業の内容を理解できないまま放置していたりすると解くのは難しいです。わからないことがある場合は、なるべく早く先生に質問をしてください。希学園は質問対応の手厚さを魅力のひとつとしているため、遠慮する必要はありません。
「もはや、どこからわからないのかもわからない」というケースもあるでしょう。中学受験の勉強は難易度が高いので、それ自体は珍しいことではありません。気が引けるかもしれませんが、そういう場合は手遅れにならないうちに、先生のもとへ相談にいきましょう。算数の単元は段階的に進んでいくため、今わからない原因がかなり遡った単元にあるのかもしれません。塾の先生の力を借りて特定しましょう。
ノートをとっているうちに授業が進んでしまう
どの科目でも起こりがちですが、国語と算数は特に「書き写すだけ」になってしまう子供がいます。「授業に集中していること」と「ノートをきれいにとること」は全くの別物です。算数は先生の説明する考え方を理解しながら、必要な内容を書き写さなければなりません。
希学園でも無駄を省いたノートを推奨しています。先生の書いた内容をそのまますべて書き写す必要はありません。逆に、先生が書いていない内容であっても、見直したときに必要になる内容は書き込んでおきましょう。
自分で解く際は考え方の流れを書き出す
算数では「本人は解ける気になっているのに、実際にはきちんと理解できていないケース」がよくあります。理屈を理解できないまま、なんとなく手順を覚えてしまっている子供は、問題の出題パターンが少しでも変わると、解き方がわからずに得点できなくなってしまうのです。
理解があやふやの子供には、保護者から「一度、解き方を説明してみて」と提案するのもよいでしょう。人に教えられるようになって、初めてきちんと理解したと言えます。子供も自分がどこを理解できていないのか、説明してみて初めて把握するものです。
復習テストで得点できない場合はどうすればいい?
希学園のような塾では学習のルーティンを確立することが求められます。復習テストをする理由のひとつは、「どこでつまずいているのか」を確認するためです。そのため、目の前の勉強に追い立てられて、ミスのやり直しや類題を解くことができないようであれば、テストを受ける意味が大きく失われてしまいます。テストは復習のタイミングだと位置づけてください。
たとえ、点数が悪くても落ち込まなくてよいです。どういうルーティンで勉強すれば得点できるようになるかを考えていきましょう。なお、復習テストは時間に対して問題数がかなり多い仕様です。
- 授業についていけないと感じたら、早めにサポートを活用する
- ノートは必要な内容だけを効率よく書く
- 理解が曖昧な部分を説明できるようになるまで復習を繰り返す
- 復習テストでミスがあれば類題を解き直す
希学園における理科の勉強法は?
希学園における理科の勉強法を見ていきましょう。
希学園で使う理科の教材は?
希学園で使う理科の教材は『ベーシック』です。サブノートは赤字で書かれていて、チェックシートで隠せるような仕様になっています。宿題にはプリントが出ます。最高レベル演習や実戦レベル演習をとっている場合はそれに伴ったプリントもあります。
希学園の理科についていけない場合は
理科は分野や単元が分かれているため、どこが苦手なのかによって対策も変わってきます。生物分野や地学分野であれば、単元にもよりますが、自力で復習することはある程度可能です。しかし、物理分野や化学分野は算数的な発想や計算処理が必要になってきます。
どのレベルの問題から解けないのかを確認し、先生に質問に行き、類題をなるべくたくさん解くようにしましょう。それでも追いつけない場合は、個別指導の併用などで対策していくのも手です。
- 分野ごとに苦手な単元を見極め、対策を立てる
- 理解度に合わせて個別指導を併用する
希学園における社会の勉強法は?
希学園における社会の勉強法を見ていきましょう。
希学園における社会の教材は?
希学園で使う社会の教材は『ベーシック』です。宿題としてプリントが出ます。『社会特訓』などを受ける場合は対応したプリントがあります。
希学園の社会についていけない場合は
社会はどうしても後回しにしてしまう子供がいる教科です。あとから暗記すれば追いつけると思って放置しているケースがよくあります。しかし、中学受験の社会は横断的な出題が多いですし、暗記だけをすればよいわけではありません。
地理は地図帳を使って各地の特徴やデータを頭に入れましょう。歴史は流れをつかむことが大切なので、単元ごとに家族を相手に説明してみてください。因果関係をスムーズに伝えられるようにしましょう。公民分野は時事と密接な関係にあるので、時事にも関心を持っていたいところです。
社会は、授業を受けたあと、家でノートをまとめてみるとよいです。学んだことをその日のうちにまとめる癖をつけましょう。社会の勉強を効率的に進めるためのよいルーティンが確立されます。
- 地理は地図帳を活用して各地の特徴やデータを覚え、歴史は流れをつかむために、単元ごとに説明してみる
- 授業のあとにその日のうちにノートをまとめる習慣をつける
希学園はフォローが手厚いので、積極的に相談しよう
希学園では困ったことがあれば、チューターやプレチューターが相談に乗ってくれます。勉強についていけないときはまず塾と話をしてみましょう。教室にもよりますが、個別指導塾もあるため、臨機応変に対応しながら学力向上を図ってくれます。
また、授業後には自習時間がカリキュラム内に組み込まれていて、質問受けや個別のアドバイスの時間が組み込まれています。授業前の質問受け、無料開放自習室での質問受け、電話質問受けなど、主体的に学ぶ生徒へのサポートは盤石です。さらに、「WEB補講動画」も用意されているため、復習もしやすくなっています。
難関校を目指す塾なので、問題集はハイレベルな内容まできっちり押さえています。塾自体のレベルの高さから、ついていけない子供は一定数出てきますが、サポートやフォローの制度が整っている点では頼りになる塾です。
宿題をこなし、復習をし、間違えた問題をそのまま放置しないようにしましょう。間違えた問題をやり直す際には、自力で類題が解けるようになるまで、期間を空けて繰り返し解いてください。